
それまでと同じように過ごしているのに、40代になってから太ってきた……という人は多いでしょう。太ったことだけでも憂うつなのに、なんと医学的に見ると肥満と老化は密接に関わっているというのです。太っている人は老けやすいというのは本当なのか、美容・アンチエイジング専門医の黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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太っている人は体の“糖化”が進みやすい

活性酸素による体の酸化が老化を早めるという話は聞いたことがありますが、糖化とはどういう現象なのでしょうか。
「糖化とは、食事からとった余分な糖質が体内で主にたんぱく質と結びついて、細胞を劣化させる現象です。太っている人は糖質を多くとり過ぎる傾向にあるため、体内に余分な糖が多くあり、糖化が進みやすいといえます。糖化が進み過ぎるとシワやくすみ、シミなど、特に肌の衰えが顕著になりやすくなります」(黒田先生)
そして、老化の原因は糖化のときに作られる老化促進物質のAGE(糖化最終生成物)という物質が原因だと言います。
糖化で老化が早まりやすいのは…
黒田先生によると、個人差はありますがAGEが生成されると以下のような老化を早めやすいとのこと。
●肌のハリを保つコラーゲン繊維が破壊され、肌の弾力を失う。
●老廃物が皮膚の細胞に沈着し、シミやくすみとなって肌の透明感が失われる。
●髪のたんぱく質が糖化し、髪のハリやツヤがなくなる。
「糖化を防ぐには、毎日の食事と運動を見直すことが大切です」(黒田先生)
糖化を防ぐ食事術は?

老化を促進させる糖化は、毎日の食事を見直してできるだけ糖質を控えることが大きなポイント。
「糖質の値はGI値で表されますが、糖質を抑えるにはできるだけ低GI食品をとることが有効です。低GI値食品には、わかめ、もずく、ひじきなどの海藻、ナッツ、玄米、ライ麦などがあります。一方、高GI値食品は食パン、フランスパン、もち、うどん、じゃがいも、チョコレート、ホットケーキ、ドーナツなど。高GI値食品群に好物が多い人は要注意です」(黒田先生)
食べる順番にも気を付けて!
また、食べる順番も大切と言います。
「空腹状態で、最初に糖質をとってしまうと血糖値が高くなってしまうので、最初に食物繊維が豊富なサラダ、次にたんぱく質、最後に糖質をとるようにすると良いでしょう。高GI値食品である甘いおやつをどうしても食べたいときは、まずは食物繊維が豊富なナッツやたんぱく質を含むにぼしなどをつまんでから食べて。好きなものを我慢し過ぎるとストレスがたまってしまうので、食べ順に気を付けて食べるのがおすすめです。
また、低GI値だからと同じ食品ばかり毎日とるのはNG。いろいろな食品をバランス良く摂取するようにしましょう」(黒田先生)