
当時51歳の私は、既に半年間生理が来ていませんでした。日本人の平均閉経年齢は50.5歳で、生理が1年間止まると「閉経」と言うのだそうです。私はこれまで独身で、子どもを産んでいません。仕事に邁進しキャリアを積んできたと言えば聞こえは良いけれど、なんだか女性としての喜びを感じないまま終わるのかしらと、なんとなく悲しい気持ちも抱いていました。
閉経を迎えるこの寂しさは、落ち込みは…
生理が終わるのは大歓迎という女性は多いかと思います。第一、ナプキンを買う必要がなくなります。初潮以来、約37年間ナプキン代を私はいくら支払ってきたのでしょう。以前はきちんと28日周期を守る私の生理が、直近では大きく崩れ、いつ来るかもわからない。最近は経血量もバラバラで、大量出血に慌てふためくこともありました。私は生理になると、いつも睡魔に襲われ、勉強や仕事のときは効率が極端に下がることも悩みの種でした。こうした数々の煩わしさも、この半年間はスルー。
でも、この、なんとも言えない寂しさと、喪失感はなんでしょう。自然に涙が出ることすらありました。更年期特有の精神的落ち込みなのか、不安定でどんよりしたこの感覚。ずっと彼氏もいない。最近はエッチもしていない。ん? 3年間していないじゃないか! このまま終わるのか? 私の生理。そして、女としての性生活に終止符なのか……。
エッチな気分になることがアガラない秘訣?
そういえば、以前ある大物女優がテレビのバラエティ番組で話していたことを思い出しました。彼女は、閉経するのが寂しいと思うときには、「アダルトビデオでエッチな気分になることが、アガラない秘訣です。すると、来るのよ、生理が!」と明るく笑って話していました。つい、私もつられて笑ってしまったけれど、もっとラクな気持ちで閉経(生理)と向き合うのが良いわよ!というアドバイスにも聞こえました。
彼女のように、もっと性を軽やかにポジティブに捉えられたら、もう少し心も軽くなるのかしら。アダルトビデオは持ってないけど、エッチな小説なら私もあるな……なんてことも、思ったりしていました。そういう艶っぽいことは、体験はおろか、会話もなければ、想像も、妄想すら最近していないことに気付き……。