
鼻水やせきなど風邪症状はないのに体温を測ると微熱が……40代のお悩みとして見られる症状です。微熱だけなので受診するほどでもないと様子を見ていても、何度か起こる場合は心配になります。女性の体の変化と微熱にはどんな関係があるのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。
微熱が気になる場合はまず内科を受診

どれくらいまでの熱を微熱というのでしょうか。
「平熱が37度以下の方の場合、目安として37.0~37.9度までの体温を微熱といいます。38度以上を発熱とするのが一般的です。しかし、平熱には個人差があり、体温の低い人は35度台の場合もあり得ます。1日のなかでも午後になると高くなったりするなど、年齢や時間帯によって異なります」(駒形先生)。
微熱というと37度くらいまでと思っている人も多いのではないでしょうか。意外に高く感じましたが、更年期症状として微熱を訴える人は多いのでしょうか。
「婦人科に、微熱だけに受診する患者さんはほとんどいないでしょう。まずは内科を受診されるからだと思いますし、それが良いと思います。微熱を症状とする病気のあらゆる可能性が否定されてから、更年期症状を疑う順番が正しいです」(駒形先生)。
更年期は、水分や血流のアンバランスが微熱の原因に

内科など受診しても微熱がたまに出るという場合、更年期とはどんな関係が考えられるのでしょうか。
「これまでずっと過多月経やダラダラ月経があった場合、毎月体内の大量の血液や水分が失われていきます。血液が減れば深部体温が下がるので内臓が冷えないように上げようとして微熱が出ることがあります。また、更年期は痩せにくく太りやすい時期でもあるため、むくむから、水太りになるからと十分な水分補給をしない人も多いですね。人間は汗を出すことで体温を調節していますが、慢性的な水分不足で汗を出せずに熱が上がっていくことがあります。
また、更年期は子宮周りへの血液が減り、上半身に血液が集まりやすいのが特徴。熱を測るときは脇の下などが多いですが、上半身が熱くなりやすいので、熱が高めに出ることがあります。
生理前の高温期が影響している場合もありますが、それは基礎体温をつけてみないとわかりません。ただ、更年期に入ると生理前の高温期は和らぐ場合が多いです」(駒形先生)。
以上のように、さまざまな理由から40代の微熱は引き起こされているそうです。