
私が朝一番にすることは、新聞のおくやみ欄を見ることです。年齢が年齢なので「知り合いが亡くなっているかも」と気になるからです。それは、50代に突入したばかりのこと。いつものようにおくやみ欄に目を通すと「あれ、ぼやけてる……」。それまで眼鏡を手放せないド近眼だった私。だからそのときも「また視力が落ちたのかな~」と思い、もっと顔を近づけて見ようとしました。が、見えるどころか余計にぼやけるではないですか!!
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もしかしてこれが老眼?
「むむむ。これは老眼ではないだろうか」。そこで私は、眼鏡を外した状態で、どのくらい離せばよく見えるのかをいろいろと試してみました。雑誌やスマホの文字を読んでみたり、テレビを見てみたり……。「ふむふむ。テレビは眼鏡をかけなくては見えない。でも、テレビを見ながら手元のスマホを操作しようとすると、逆にスマホの文字がぼやけて読めなくなる」。これにはとても困りました。
また、足の爪を切るときもよく見えなくて、どうしたらいいのか途方に暮れたりしました。今まで当たり前だったことが、視界が少し変わるだけで不便になってしまいました。ちょっと大げさですが、こんな変化が自分にも起きるのだということが驚きでした。人間誰しも通るだろう老化の階段を自分も上っていることがちょっと悲しく、また逆に興味深くも感じました。
離すと見えるという矛盾の原因は
この見え方の変化がとても気になり、ネットで「老眼」について調べてみました。すると「老眼」とは、“年齢を重ねるとともに手元の細かい文字が見えづらくなる症状のこと”とありました。弾力性のある柔らかいレンズが硬化し、見え方を調整する筋肉の力が弱まり、ピントの合う位置が変わってきてしまうのだそうです。「なるほどな~」と納得しました。
今までは物を見るとき近づければよく見えていたのが、遠ざけないと見えなくなってしまったのですから、たしかにピントの合う位置が変わってきたようです。近づければ見えるという私にとっての常識が、離したほうが見えるというものに覆ってしまったことが衝撃でした。