
気温が下がり乾燥する冬は、さまざまな感染症が流行しやすく、美容面でも注意が必要な時期です。免疫力をしっかりつけてイキイキと過ごすためには、栄養面でどんなことに気を付けるべきなのでしょうか。予防医学と分子栄養学に詳しい黒田愛美先生によれば、免疫サポートはもちろんアンチエイジングにも良い栄養素があるといいます。どんな栄養素なのか、また、どのようにとるのが良いのかを聞きました。
冬の季節、特にとりたい4つの栄養素は?
- 免疫バランスを整えるビタミンD
- 美容効果も高いビタミンC
- 免疫サポートをより活性化させる亜鉛
- 抗酸化作用のあるセレン
免疫バランスを整えるビタミンD

黒田先生が挙げたのは4つの栄養素。なかでも40代以降の女性は、ビタミンDとビタミンCはより積極的にとりたい栄養素だといいます。まず、ビタミンDはどんな健康効果が期待できるのでしょうか。
「免疫は過剰になるとアレルギー反応などが出ることがあり、低すぎると感染症にかかりやすくなります。ビタミンDは免疫反応を調整して体のバランスを整える効果があります。ビタミンDを多く含む食品としては鮭、サバの水煮、しらす干し、干ししいたけなどがあります。推奨摂取量は1000IUとされています」(黒田先生)。
ビタミンDは紫外線を浴びると体内で生成されることがわかっていますが、効果的な紫外線の浴び方はあるのでしょうか。
「ビタミンDは紫外線を浴びることでもとることができます。ただ、紫外線からとれるビタミンDは食品に比べるとごくわずかではあります」(黒田先生)。
紫外線を浴びると、シワやシミが気になる人も多いと思いますが……。
「ビタミンDを紫外線から吸収するときは、肌の露出が多いほど効果的ですが、手のひらを日光に当てるだけも良いですよ。 なお、多くの日焼け止めクリームは、紫外線から得られるビタミンDの生成も一緒に阻害してしまいます。紫外線をカットしながらビタミンDの生成は阻害しない『ソーラーD』という日焼け止めクリームもあるので、チェックしてみても良いでしょう」(黒田先生)。
美容効果も高いビタミンC

ビタミンCは免疫サポートだけでなく美容効果も高い栄養素だといいます。
「ビタミンCは抗酸化作用と疲労回復、美肌効果が非常に高いのが特徴で、免疫力をサポートしたり、傷を治りやすくしたりする効果もあります。ブロッコリー、キウイ、キャベツなどに多く含まれます」(黒田先生)。
そして、ビタミンCは摂取量で効果が変わるそうです。
「例えば、傷を治りやすくするなら1日100mg、風邪予防なら1~10g、疲労回復(副腎疲労回復)なら10gくらいとると良いとされています。私は体調によって1日3~10gとるようにしています」(黒田先生)。
より免疫を強化したいなら亜鉛、セレンもチェック

亜鉛は聞いたことがありますが、セレンという栄養素は聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。
「セレンは、人間にとって必要不可欠な5大栄養素・ミネラルの一つです。体内のサビつきの原因となる活性酸素から体を守り、体の内側から若々しさを保ちます。かつおやかつお節、ほたて、たらこなどに多く含まれます。
亜鉛は細胞の代謝を活発にして免疫力をサポートする働きがあります。かきや豚レバー、アーモンドなどに多く含まれます」(黒田先生)。
この4つの栄養素以外にも、乳酸菌や食物繊維を積極的にとると効果的だそうです。次の章では、栄養素のより効果的な摂取方法を紹介します。