
「字を書くときに親指が痛いな」。「朝起きたときに指がこわばっているな」。こんな症状になんとなく気付いたのは48歳のころでした。菜箸で肉を炒めるのも、ペットボトルのフタを開けるのも、痛い! だんだん家事に支障が出るようになり、ついには洗濯ばさみをつまめない状態に。整形外科を受診すると、それは更年期障害から来る症状の一つでした。
親指が痛くて小さいものがつまめない

若いころから婦人科系の悩みには無縁だった私。生理痛はほとんどなく、2回の出産も超安産。「多分、私は更年期障害には悩まされないタイプだわ」と高をくくっていました。また当時としては遅い出産だったため、子どもたちが小学校に入学した40代は、年下のお母さんたちに混ざって奮闘する毎日。子どもたちが野球を始めるころには仕事も相まって多忙を極め、自分が更年期といわれる年代に差しかかっているという自覚はまったくなかったのです。
だから右手親指の付け根に痛みを自覚したときは、単に痛めたのだろうと思っていました。野球のユニフォームを毎日ゴシゴシ洗っているから、お当番で重たい荷物を運んだから、と。でも、痛みは治まるどころか悪化する一方。次第に利き手ではない左手の中指、薬指も関節が腫れて痛むようになったのです。
ボールペンを握って字を書くのが痛い。少し残った歯磨き粉のチューブを絞るのが痛い。しょうがをすりおろすのがつらい。洗濯ばさみをつまめない……こうしてだんだんと、家事や生活に支障が出るようになってきたのです。
女性ホルモンの低下が一因で指に3つも病気を発症

さすがにこれはおかしいと、次に心配したのはリウマチ。早速、整形外科を受診してレントゲンと血液検査を受けたところ、医師から告げられた言葉はリウマチではなく“ 更年期障害” でした。えっ? 更年期障害で指が痛くなるの? 知らなかった! ついに私も更年期を認める日が来てしまった!
右親指の付け根は、軟骨がすり減り亜脱臼していました。左手は、薬指の第二関節と中指の第一関節が腫れている状態。ついた病名は、右親指が「母指CM関節症」、左薬指が「ブシャール結節」、左中指が「へバーデン結節」でした。
原因は、ホルモンバランスの乱れと老化と言われました。女性ホルモンの低下に関係があり、更年期の女性に起こりやすい症状とのこと。代表的な更年期女性の指の症状を、3つ発症していたそうです。更年期障害だけでもショックなのに老化って……。
また右親指の亜脱臼に関しては、オーバーユースも一つの原因と言われました。家事で手をよく使う女性は、中高年になると軟骨がすり減り関節に痛みが出てくるそうです。私は野球のユニフォームをゴシゴシ洗ったり、重いジャグ(飲み物を入れる水差し)を運んだりする日々が12年続いたからなと、少し納得した気持ちにもなりました。
次の章では、私がおこなっているケアについてお伝えします。