更年期は体も心もバランスを崩しやすい時期。だからこそ、「若かったころと同じ食生活をしていたらダメ。食生活も変えていく必要がある」と栄養外来も担当する、美容専門医の黒田愛美先生は言います。40代、50代になってもイキイキと毎日を過ごすためには、どんな食品をとると良いのか聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田あいみ先生(Zetith Beauty Clinic 医師)
美容外科、美容皮膚科、予防医学(栄養療法)、アンチエイジング専門医。Zetith Beauty Clinic 、東京美容外科沖縄院にて勤務。トライアスロン日本代表の経歴を持ち、⾃分がアスリートであることも⽣かしつつ、美と健康のスペシャリストとして「中からと外からの美と健康」を信念に、外から(美容医療)だけでなく、中から(分子栄養学、予防医学)の美と健康の権威として多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。著書に、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された「アスリート医師が教える最強のアンチエイジング」(文藝春秋社)がある。
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更年期に積極的にとりたい食品は?
更年期は腸内環境が乱れやすくなる
最近よく目にする「腸内環境」というキーワード。この腸内環境が、更年期には乱れやすくなると言います。
「脳と腸は自律神経やホルモンを介してつながり、相互に調整し合っています。
更年期のホルモンバランスや自律神経の乱れは、腸にも影響を与える可能性があります。
また、 腸内細菌は、幸福感ややる気などのポジティブな感情を起こす『 セロトニン 』や、『ドーパミン 』といった脳内ホルモンの体内合成・機能と深く関わっています。そのため、腸内環境が悪化するとこれらの脳内ホルモンが出にくくなり、ネガティブな思考で脳が疲労しやすい状態になります。
つまり、更年期に腸内の環境を整えることで、この時期によく見られる心の不調などの症状も軽くできる可能性があります」(黒田先生)。
善玉菌を増やす食品は?
手軽にとりやすい「納豆」
「腸内環境を整えるためには、善玉菌を増やすことが必要です。善玉菌を増やす食品はいくつかありますが、その中の一つに発酵食品があります。
発酵食品の中でも手軽にとれておすすめなのは納豆です。納豆に含まれる納豆菌は、善玉菌の代表であるビフィズス菌を増やす働きをすると同時に、悪玉菌の増殖を抑える働きもあり、腸内環境を整えるのに役立つといわれています。
また、納豆菌は、胞子(芽胞)を作り、温度や酸に強い状態になって生き延びることができます。胃酸にも耐えるので胃を通って小腸から大腸上部に達して発芽し、善玉菌を増やすためには欠かせません」(黒田先生)。
さらに、納豆にはさまざまな健康効果があります。
「女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンや、肌にハリを与えるとされるポリアミンなどが含まれ、アンチエイジング効果が期待できます」(黒田先生)。