
トイレのたびに憂うつになる、あのつらい痛み。痔とは長い付き合いという人も多いといいますが、更年期になると痛みが悪化するという話も。産婦人科医の駒形依子先生に、更年期と痔の悪化との関係について聞きました。
女性で一番多いのが「切れ痔」なのはなぜ?

痔には、いぼ痔や切れ痔などがありますが、女性には切れ痔が多いと駒形先生は言います。
「女性で切れ痔が多いのは、便秘が多いからです。若いころから長らく便秘体質で、硬い便を息んで無理やり出すのが当たり前になっている人が多いですね。
排便時に肛門の出口に近い部分の皮膚が切れ、鋭い痛みが生じるのが特徴です。傷は自然に治るので、切れた原因が解消されれば一過性で終わりますが、実際は繰り返す女性が多いですね」(駒形先生)。
現代は、赤ちゃんのころから便秘体質だったという女性も多いそうです。
更年期は痔が悪化しやすい?

更年期に入ってから痔が悪化した、という声を聞きます。
「更年期だから痔になるというのではなく、もともとあった痔が、更年期になると悪化するということは良くあることです。
女性ホルモンは組織の潤いを保つ役割を果たしますが、更年期に入るとその分泌は急激に減ります。それにより組織は硬くなっていきます。
組織が硬くなったところで、硬い便を無理やり出そうとすれば、破れるのは当然。さらに、冷え症であればなおさら組織が硬いので、痔は悪化していきます」(駒形先生)。