
お酒の量が急激に増えたというわけでもないのに、40歳を過ぎてから健診や人間ドックで「肝機能低下」の指摘。「肝機能が低下するとどうなるのだろう」と不安に感じてしまいますよね。アンチエイジング専門医の黒田愛美先生は栄養療法の一環で検査をするなかで、肝機能低下が見られる患者は多いと言います。そのなかでも近年問題視されている脂肪肝についてまとめました。
そもそも肝機能とは?
主に精製、貯蔵、解毒の3つの働きがあります

肝機能が低下すると、体はどうなるのでしょうか。
「肝臓の働きは簡単に言うと主に3つあります。
- 体に必要な物を作る(精製)
- 体に必要な物を蓄える(貯蔵)
- 体に不要なものを処分する(解毒)
肝機能低下とは、これらの働きが落ちているということです。これらの機能低下が進行すると肝機能障害になります」(黒田先生)。
そして、この肝機能障害のなかでも近年増えているのが脂肪肝だと言います。
「肝機能障害のなかで特に、近年の飽食や運動不足の影響から、非飲酒者の脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)が増えており、代表的な肝機能障害の一つとなっています。これらが慢性化すると、慢性肝炎、肝臓が硬くなって機能しなくなる肝硬変から肝臓がんに進行することもあります」(黒田先生)。
脂肪肝とは?
肝臓に中性脂肪がたまった状態

アルコールを飲まない人でもなるという脂肪肝。どういう状態のことを指すのでしょうか。
「脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪がたまった状態を指します。脂肪肝の最も多い原因は肥満です。 肥満や糖尿病の人は、インスリンの働きがにぶくなるため、肝臓に脂肪がたまりやすくなります。
前述したように、肝臓の役割の一つに、使い切れなかった糖分や脂肪酸などを中性脂肪やグリコーゲンとして蓄える働きがあります。しかし、その後使わずにため込み続けると脂肪肝になってしまうのです」(黒田先生)。