
年齢とともに体重が微増し、健康診断を受けるたびに血圧や血糖値の高さを指摘されているのにもかかわらず生活をなかなか変えられない……。そんな悩みを抱える人におすすめの食材が「あずき」です。『メタボ&むくみを撃退! 血圧、血糖値を下げたいなら発酵あずきとあずき茶をとりなさい』の著者であり、テレビ番組などでもおなじみの石原新菜先生に、おすすめのあずきのとり方をお聞きしました。
★前回:「すごさに驚き!」ダイエットや美肌、骨粗しょう症予防など、女性にうれしい地味スゴ食材の効果【医師解説】
ゆであずきやあずき茶でおいしく健康に

――あずきのおすすめの食べ方を教えてください。
石原先生 まずはゆであずきです。乾燥あずき300gを水洗いして鍋に入れ、1Lほどの水を加えて中強火にかけ、煮立ったらあずきをザルにあけて煮汁を捨て、アク抜きをします。あずきを水洗いして鍋に戻し、あずきの4~5倍の水を入れて中弱火にかけ、煮立ったら弱火にして15分ほど煮てからザルにあけます。このときの煮汁は取っておいてください。
――煮汁は何に使うのでしょうか?
石原先生 あずきの煮汁の中には、前回お話したポリフェノールやサポニンといった抗酸化作用が高い健康成分が溶け出しているんですね。捨ててしまうのはもったいないので、あずき茶として飲むんです。煮汁をそのまま飲むのはもちろん、紅茶と合わせたり、炭酸水で割ったりしても飲みやすいです。ノンカフェインで添加物も入っていないので、妊娠中の方やお子様も安心して飲めるお茶なんです。
――ヘルシーで健康効果が高い飲み物なんですね。
石原先生 そうなんです。あずき茶には別の作り方もあるんですよ。
――ぜひ、教えてください。
石原先生 乾燥あずき大さじ4を水洗いしてザルにあけて水分を拭き取り、フライパンに入れて中弱火にかけて10分ほど炒ったものを、1Lのお湯で30分ほど煮出すんです。炒ることで香ばしい風味が出て、あずきの煮汁のあずき茶とはまた違った味わいを楽しめます。
――ゆであずきはどのように食べるのが良いのでしょうか?
石原先生 チキンライスに混ぜて炒めてオムライスにしたり、肉豆腐やポテトサラダに混ぜたりなど、主食やおかずに混ぜるとおいしく手軽にとることができます。私には中学生と小学生の娘がいるのですが、2人ともカレーに混ぜたりスープに入れたりしてよく食べています。
「発酵あずき」で理想的な腸内環境に

――ゆであずきのほかにも、おすすめの食べ方はあるのでしょうか?
石原先生 乾燥あずき150gで作ったゆであずきに乾燥米麹200gを加えて炊飯器に入れ、フタを開けたまま布巾をかぶせて保温モードで8~12時間発酵させる発酵あずきもおすすめです。
――発酵あずきにはどのような効果があるのでしょうか?
石原先生 栄養価の高いあずきを米麹と合わせることで、体に良い菌もとれるという点が一番の効果です。
麹菌や納豆菌、乳酸菌など、体に良い菌をとることが腸内環境を整えることにつながることは多くの人が知っていると思います。でも、体に良い菌が腸の中で増えていくには食物繊維という餌が必要だということはあまり知られていないんですね。
――「乳酸菌ドリンクを飲んでいるからおなかの調子は大丈夫」というわけではないんですね。
石原先生 そうなんです。理想的な腸内環境を育むには、有益な菌を積極的に体にとり入れる「プロバイオティクス」と、善玉菌の餌となる食物繊維を供給する「プレバイオティクス」を同時におこなうことが大切なんです。発酵あずきは、麹菌と食物繊維たっぷりのあずきを同時にとれるので、食べるだけで理想的な腸内環境に近づけることができる食材なんです。
――発酵あずきのおすすめの食べ方も知りたいです。
石原先生 お砂糖を入れなくてもほんのりと甘いので、そのまま食べるだけでもおいしいです。トーストに塗ったり、おかゆに入れたり、ヨーグルトに混ぜたりするのもおすすめです。