
スギやヒノキ花粉のピークは2月半ばから4月とされ、まさに今花粉症に悩まされている方も多いでしょう。目のかゆみや鼻水、くしゃみなどつらい症状が続きますが、年を追うごとに悪化しているような気も……。そこで、更年期とアレルギー、特に花粉症による目や鼻への影響との関係について産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。
花粉症は更年期のせい?

もともとのアレルギー症状が悪化しやすくなる
花粉症をはじめアレルギー症状に悩まされる更年期女性は多くいます。アレルギーと更年期には関係があるのでしょうか。
「更年期は女性ホルモンが減ることで自律神経が乱れやすくなる時期。自律神経は免疫を司る器官でもあるため、免疫のバランスも崩れやすくなります。
その結果、もともとあったアレルギー症状は更年期に入ると重くなることがあります。また、突発的にアレルギーを発症することもあります」(駒形先生)。
ドライアイ、ドライノーズはなぜ起きる?

粘膜の乾燥が原因
更年期に花粉症が悪化しやすいのは、自律神経の乱れだけが原因ではないそうです。
「女性ホルモンは組織の潤いを保つ働きがありますが、分泌が減ることで粘膜が乾燥しやすくなります。
そのため、目や鼻が乾燥するドライアイやドライノーズといった症状が出やすくなります」(駒形先生)。
【ドライアイの主な症状】
- ショボショボしたりするゴロゴロしたりする
- 疲れやすい
- かすんで見える
- 目がよくかゆくなる
- 目の奥のほうが痛む
【ドライノーズの主な症状】
- 鼻くそがよくたまる
- 鼻の中がよくかゆくなる
- 鼻の中にカサブタができる
- カサカサしたような異物感がある
- 鼻をかむと血が混じる
- 鼻の入り口付近が切れやすい
ドライアイと同時に老眼も進行!?
「また、更年期のころは老眼も進む時期。視力を調節しているのは目の筋肉ですが、更年期の筋力低下で目の調節能力も低下していきます。
老眼は、老化によって目のピント調節機能が低下して、近くの対象にピントを合わせにくくなる症状です。ドライアイと老眼が重なると、とても目が疲れやすくなります」(駒形先生)。