
「不安障害」という病気は、ネットで調べると、恐怖心や身体的な不快感が強まり心臓がドキドキしたり不安になったりする心の病気で、体にも悪影響を及ぼすそうです。有病率は人口の5~6%といわれていてそんなに珍しくない身近な病気だそうですが、その不安障害をまさか自分が患うとは思っていませんでした。
今回は、不安障害になって苦しんだ経験と、回復までの道のりをお話ししたいと思います。
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不安障害になったきっかけ

33歳で短大の栄養学科に入学、35歳で栄養士を派遣する会社に正社員として就職しました。勤務先はデイサービス併設のクリニックで、60代パート女性2人と私の3人で厨房を回していました。
入社して1年ほどたったころ、パートさんの1人が家庭の事情で突然辞めてしまい、急にもう1人のパートさんと私の2人体制に。本社からたまにヘルプの人が来ていたものの回数には限度があり、必然的に休みが激減。パートさんに優先して休んでもらい、私自身は月1、2回休める程度でした。
その後新しい人も入らず、朝から晩まで1人で勤務することも多々あり、疲れが極限に達して精神的にも追い詰められていきました。あるとき心臓がドキドキしてずっと不安な気持ちが続き、おかしいと思った私はすぐに心療内科を受診しました。診断は「不安障害」でした。
初めはまだ症状が軽く、すぐに良くなりました。体が心配だったので会社に1カ月後に辞めると申し出ると、「会社の規約で辞めるには3カ月必要」と言われ、やむなく勤務を継続。ですが2週間後に不安症状が再発し、以前よりもひどくなり夜も眠れず、仕事に行けなくなり、そのまま辞めざるを得なくなりました。
不安障害に悩まされた日々に始めたこと

真面目に頑張った結果、自分が病気になるなんて。このときは絶望しました。
実家でしばらく休むという選択肢もありましたが、このまま家にこもるとたぶん私はうつ病になる。外に出て人と関わったほうが自分の中に閉じこもらなくて良い。そんな気がしたので別の仕事に就き働き始めました。
病院で処方された精神安定剤を飲みながら、新しい職場で派遣社員として働き始めました。栄養士を続けると症状が悪化すると感じたため、その道は断腸の思いで諦め、前に経験のあった職種に就きました。このときは何をしても心が何も感じない状態になっていて、「これはうつ病になる一歩手前ではないか」と気付き、これ以上気持ちを落としたくないという一心で、自分で対策を考えました。
例えばひとり言で自分を盛り上げました。テレビを見たら「わー!! 今のおもしろかった!!」としゃべったり、笑い転げてみたり。買い物に行くときも「今日は買い出しに行こう!! あのお店は広くてたくさんのものがあるから楽しいんだよね!」と言葉に出してみたり……。いつも楽しくいることを3カ月ほど続けました。
そうすると心がだんだんと上向きになっていき、「楽しい」と感じられるようなりました。