
体内の女性ホルモンの量を血液検査で調べることができることを知っていますか?「加齢とともに女性ホルモンの分泌が減少」と聞くものの、どれくらい減っているのか気になる人もいるでしょう。産婦人科医・漢方内科医の駒形依子先生に女性ホルモン値の検査について聞きました。
教えてくれたのは…
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。
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女性ホルモン検査ってどんなことをするの?

婦人科のクリニックでは、血液検査で女性ホルモン値を調べられます。問診~診察までの所要時間は30分ほど。ホルモン検査単体なら4,000~7,000円程度で受けることができます。
●一般的な検査の流れ
1)医師の診察
2)採血
3)検査から約1週間で結果。医師より説明を受ける。
調べられるホルモンは?

主に調べられるホルモンは以下のとおり。
●フェリチン=内臓が鉄をどのくらい持っているかということ。貧血検査に用いる
●プロラクチン=脳下垂体から分泌されるホルモン。生殖・排卵・妊娠・授乳に関係する
●LH=脳から卵巣に命令を出すホルモン。黄体形成ホルモン。プロゲステロンを卵巣に出すように促す
●FSH=同じく脳から卵巣に命令を出すホルモン。卵胞刺激ホルモン。同じくエストロゲンを卵巣に出すように促す
●エストラジオール=エストロゲンの物質の1つ。不妊症や更年期の数値の指標になる
●テストステロン=男性ホルモン。女性ホルモンが減ると数値が高くなる
特に注目したいのはFSH(卵胞刺激ホルモン)です。数値が高いと、更年期や閉経が近いサインと言えます。卵巣機能が低下してエストロゲンの分泌が減少することで、脳からホルモンをもっと出すよう指示を出すことでFSH(卵胞刺激ホルモン)が増えるからです。
また、内臓が鉄をどのくらい持っているかがわかるフェリチンを調べるのは、ホルモンが細胞にしっかり届いているかを見るため。細胞に酸素や栄養を運ぶためには酸素と鉄、ヘモグロビンの3つが結合する必要があります。フェリチンが少ないとホルモンがうまく細胞に届きにくくなり、体調を崩す原因となります。