
日差しが強い日々が続くと気になるのが、紫外線対策。外出するときは日焼け止めを塗るという人は多いと思いますが、効果的な使い方をご存じですか。40代以降は光老化が特に気になる時期。より効果の高い日焼け止めの使い方について、美容・アンチエイジング専門医の黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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美容面以外で紫外線の害がある!?

健康面にも悪影響が!
日焼け止めの使い方の前に、紫外線の害について黒田先生からお話がありました。
「紫外線というとシミやシワ、たるみなど美容面がクローズアップされることが多いと思います。もちろんそれは事実なのですが、それだけではないことを知ってほしいと思います。
紫外線をたくさん浴びると、体内で活性酸素が発生して細胞が酸化してしまいます。それにより老化が促されますが、それと同時に健康面にも影響があるのです」(黒田先生)
健康面にどんな影響が出るのでしょうか。
「特に言われるのが皮膚、目、免疫機能です。
紫外線は免疫力を低下させ、感染症などの病気にもかかりやすくなるといわれています。皮膚は外からの侵入物に抵抗するという重要な役割を持っていますが、皮膚が紫外線を浴びたことで免疫力が低下すると感染症にかかりやすい状況になります。口唇や口角にできるヘルペスは免疫機能が低下した結果と考えられています。
また、長期間浴びることで各種アレルギーや自己免疫性疾患、がんなどの原因となり、万病のもとといわれています」。
紫外線対策のやりがちNGとは?

マスクをしているので日焼け止めは塗らない
「素肌よりはもちろん紫外線を防ぎますが、完全に防ぐことはできません」。
目を守らない
「目から紫外線が侵入すると、角膜が炎症を起こします。 実はこの炎症が、シミのもととなるメラニンを増やす原因となります」。
日焼け止めの塗り直しをしない
「一度に塗る日焼け止めの効果は数時間しか持続しません。汗をかくような暑い日は日焼け止めが落ちやすくなるので、さらに効果が短くなります」。
夏しか日焼け止めを塗らない
「紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいます。また、晴れの日ほど強くはないものの曇りや雨の日も紫外線が当たっていることがわかっています」。
ベストな紫外線対策は?

サングラス、帽子、日焼け止めは必須
「顔はサングラスと帽子で紫外線が当たらないようにし、日焼け止めを塗って。体も紫外線にさらされないよう、肌が見える部分は日焼け止めを塗りましょう。紫外線カット効果のあるカーディガンなど衣類を活用しても良いでしょう」
日焼け止めはこまめに塗り直すと効果がアップ
「日焼け止めの効果は数時間程度。1日アウトドアで過ごすなら、2~3時間ごとに塗り直しましょう。また、晴れた日しか塗らない人も多いようですが、曇りや雨の日も晴れの日よりは少ないものの、紫外線が降り注いでいます。
夏だけ紫外線が強いわけではありません。紫外線対策は1年を通しておこないましょう」
黒田先生は「飲む日焼け止め」でも対策
「日焼け止めのサプリメントは以前は海外製しかありませんでしたが、最近は日本製のものも見るようになりました。原料によって2種類あり、1つはシダ植物を原料としたものと、もう1つがフルーツやハーブを原料にしたものがあります。
シダ植物を原料にしたサプリメントは飲んだあとすぐに効果が表れる即効型。フルーツやハーブを原料にしたものは、継続的に飲むことで効果が出る遅効型です。
私は日常的には遅効型のサプリメントをとり、ランニングなど外で過ごす時間が多いときは即効型を服用しています」。
まとめ
夏は一生懸命日焼け止めを塗るのに、秋冬になるとついさぼってしまいますよね。けれど、紫外線は美容だけでなく健康にも影響があるということ。女性だけでなく男性も対策が必要だと黒田先生は言います。パートナーの方などにも教えてあげてくださいね。
取材・文/岩崎みどり(50歳)
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。