
「美容に良い成分を1つ挙げるとしたら?」と聞かれたら何と答えますか。いろいろありますが、一番と言っていいくらいコラーゲンは有名ですよね。でも、いざコラーゲンについて考えてみると、どんな効果があるものなのかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで、コラーゲンとは何か、どんな働きをするのか、そして40代・50代女性にどうして必要なのかを美容専門医の黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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そもそもコラーゲンとは?

体のもとをつくるたんぱく質の一種
コラーゲンというと、ぷるぷるとしたゼラチン状の物質が思い浮かびます。そもそもどんな成分なのでしょうか。
「コラーゲンは、人の体を構成するたんぱく質の一種です。たんぱく質全体の約30%を占めているといわれています。
コラーゲンは肌のハリや弾力を保つ成分として有名ですが、皮膚の約70%をコラーゲンが占めています。皮膚の真皮にあるコラーゲン分子は、アミノ酸がつながってできた『三重らせん構造』をしていて、肌にハリと弾力を与えています」(黒田先生)。
しかし、コラーゲンは皮膚だけにあるものではないと黒田先生は言います。
「コラーゲンは全身の臓器に関わっています。皮膚以外にも
- 髪
- 骨
- 軟骨
- 歯茎・歯
- 爪
- 眼
- 腎臓や肝臓など臓器全般
- 脳
などを構成しています。この中でも皮膚と髪、軟骨に多く含まれるので注目されやすいのですが、コラーゲンは体全体の健康を保つために欠かせない成分です」(黒田先生)。
コラーゲンはなぜ減る?

コラーゲンは加齢とともに減る、ということは何となくわかるものの、どうして減ってしまうのでしょうか。
1.加齢による細胞の衰え
「コラーゲンは体内で合成されているのですが、加齢とともに細胞の数が減ったり、細胞の働きが衰えたりすると合成力が落ちてしまいます」。
2.女性ホルモンの減少
「コラーゲンは合成されるときにビタミンCや鉄分などいろいろな成分を材料にするのですが、女性ホルモンも使われます。
閉経に向けて女性ホルモンは減るため、コラーゲンの合成力も落ちていきます。コラーゲンは30代前半をピークに減少するといわれています」。
3.光老化
「紫外線の影響もあります。長い年月にわたって紫外線に皮膚や髪がさらされていると、コラーゲンが減少することがわかっています」。