
長女を出産したのは、まだ今のように「育休」という言葉が飛び交っていない時代でした。「絶対無理だよ」と言う周りの反対を押し切って産休明けから職場復帰し、子どもたちのこと、家事全般もひとりでこなしていました。毎日が嵐のように慌ただしく過ぎていき、周りを見渡す余裕もなく突っ走っていたんだと思います。
そんな私も40代に入り、少しだけ生まれた余裕の中で、少しずつ他にも意識が向くようになりました。「隣の芝は青く見える」とはよく言ったもので、ふと隣の庭をのぞいたら……青いどころか、全然違う色だったことに衝撃を受け、離婚を決意したお話です。
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我慢していたら夫のモラハラがエスカレート


おかしいの?気付き始めた最初の違和感
あるごみ出しの日の朝、大きなごみ袋3つをどうやってごみ捨て場まで持って行くか悩んでいました。いつものように歩いては行けないから、近いけど車で行こうか、それとも2回に分けて運ぼうか……。忙しい朝、少しでも時間をかけない方法を考えながらごみのほうに目をやると、驚くことに1つ減っているではありませんか!先に出かけた夫が持って行ってくれたんだ。今まで家事など一切手伝うことがない人なのに……。
こんなうれしい出来事はありません。出勤後、同僚にはしゃいで話すとドン引きされ、こう言われました。
「普通なら、少なくとも2つは持って行きますよ……。お互い働いてるんだから、もう少しやってもらわなきゃ。やり過ぎですよ」
私は「えっ?! そうなの?」と目からうろこが落ちた感じでした。「女は家で家事をする」と植え付けられた概念に少しも疑いを持たず、「家を空ける時間を与えているのだから家事は全部やるのが当然」と言われて、特に疑問も持たず妙に納得していた自分に気付き、驚きました。夫婦は対等、思いやりを持って接するのが理想だと思っていたはずだったのに……。