まるで水浴びでもしたかのように汗だくになってしまうという多汗症。臭いを発したり、表皮がめくれてしまったりと、ただ汗だけではなく全身に異常が出てしまうそう。そんな多汗症について、整形外科医でもあり、美容医療にも精通している中村光伸先生にお伺いしました。
教えてくれたのは……
監修/中村光伸先生(光伸メディカルクリニック院長・医学博士)
整形外科医の知見から骨の仕組み、体の動かし方を活かした骨のトレーニングを提唱する骨の専門医。骨の強化と全身の機能回復を両立する「骨たたき」を考案。若々しい体を取り戻す「リバースエイジング」の専門家としてメディアにも多数出演。著書に『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』(アスコム)。
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汗が止まらないのは病気?
ベタつく汗は多汗症の可能性が
多汗症は2種類に分けられるそう。どのような基準で分けられるのでしょうか?
「多汗症は、全身に汗が増加する全身多汗症と、手のひらや顔、頭部、脇、足の裏といった一部分から滴るほどに大量に汗が出る局所多汗症に分けられます。
局所多汗症はいくつかの部位に併発することもあります。顔だけや手のひらだけといった局所多汗症の人もいれば、顔と頭、脇など複数の箇所に症状が出ている人もいます。
多汗症で他の病気に合併して発症するものを続発性と呼んでいます。反対に原因が不明な多汗症のことを原発性と呼んで区別しています」(中村先生)
多汗症の特徴は何ですか?
「初めはサラサラとした汗が出ますが、ある程度を超えるとベタついた汗をかくようになります。
汗を出す汗腺には、体に必要な塩分とミネラルを血液に再吸収させる働きがあります。しかし、汗腺の働きが悪くなってしまうと、塩分やミネラルが再吸収されずに汗と一緒に外へ出てしまいます。
その汗の中に含まれた塩分やミネラルは蒸発しにくいので、ベタベタとした汗になってしまうのです」(中村先生)
多汗症はなぜ起きる?
ストレスやホルモンの乱れが原因に
多汗症の主な原因は、
・精神的なストレス
・自律神経の乱れ
・運動不足
・不規則な食生活
といわれています。
「この他にも内分泌異常や代謝異常の病気が原因となって多汗症を引き起こすこともあります。
例えば、閉経が近付いてくるとエストロゲンが減少しますよね。そうすると内分泌異常が起こりますから、多汗症のリスクも高まります。
その場合、更年期障害という病気に合併した多汗症になるので、続発性多汗症という診断を下します」(中村先生)