「いつの間に貯金が底をついている!?」認知症を患った祖母が起こした金銭トラブル【体験談】
私の祖母は祖父の他界後に認知症を患い施設に入っていますが、入居先が決まるまでにかなりの苦労を要しました。原因は認知症の影響による散財です。祖母が施設に入 …
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症状をネットで検索し、「睡眠時無呼吸症候群」かもしれないとは思っていました。でも、当時子どもたちはお金がかかる中高生。自分の通院にお金なんて使えません。クビになるわけじゃないし、と後回し。仲良しの同僚と離れ、異動先では笑顔で毒を吐く気分屋先輩と、長いものに巻かれる伝書鳩先輩に挟まれます。
もちろん寝てしまう私が悪いのですが、この先輩がタッグを組むことで、私の立場は一層悪い方向へ。居眠りはただのサボりや睡眠不足としか思えない先輩。追い詰められた私は、大きな失敗を繰り返してしまい、その業務から外され、雑用だけの毎日。悲しくて涙が止まりませんでした。
ちょうど同じ時期に、似た体形の営業の方が睡眠時無呼吸症候群で自損事故を起こしました。それを知った先輩たちから、「あなたも病気なら病院行ってきたら」と言われ、それで証明できるのならと、初めて病院に行くことを決意しました。
選んだ病院はホームページを読みあさって選んだ睡眠時無呼吸症候群に明るい耳鼻咽喉科。初診は診察と血液検査とレントゲン。顔全体の画像を撮影しわかったのは、肥満ゆえに気道の周りに肉が付き狭くなっていること、もともと顎の骨格が小さいこと、人よりも舌の付け根が奥にあることでした。
寝ている間の気道を塞ぎ呼吸ができなくなる、睡眠時無呼吸症候群の要素が盛りだくさんであるという驚きの事実が判明しました。
初診の結果から1カ月後、簡易検査を自宅で実施した後、1泊の検査入院をすることになりました。夕飯後シャワーを浴び、20時前には検査技師と看護師2人がかりで電極のついた線を頭からつま先まで貼りつけます。手の指には酸素濃度を測る機械を装着しました。
20時には携帯の電源を切り、消灯し就寝。普段から睡眠不足なので気を失うかのように眠りにつきました。たまに目が覚めましたが、朝6時に起床。その後電極を外し、帰宅しました。3週間後に病院へ検査結果を聞きにいったのですが、結果は予想通り「睡眠時無呼吸症候群」。
なんと1時間に27回も呼吸が止まっていたのです。限りなく重症に近い中等症で、治療方法として2つあるとのことでした。中等症までなら効果が期待できるマウスピースか、重症でも効果が現れるCPAP(シーパップ)です。
私は悩んだ末、マウスピースを選択しました。保険適用で1万円と安い買い物ではありませんでした。かかりつけの歯科医に相談し、マウスピースを作れる技工士を紹介していただきました。私の歯形にぴったりはまり、下顎を前へずらして寝ている間の気道を広げるマウスピースは、1年ほどはいびきも小さくなり、眠れているからか気分も少し軽くなった気がしました。そんなふうに効果が感じられ2年ほど使用しました。
その後、もう一度異動し環境は変わりましたが、結局転職しました。転職してしばらくは気も張っていましたが、やはり寝てしまいます。虫歯の治療のせいか歯形がずれ、経年劣化も手伝ってか、装着しても顎が前に出ている実感が湧きません。マウスピースの役目が終わりを告げるときがやってきたのです。
マウスピースの効果が薄れていると実感し、考えました。また1万円かけて作り直すか、月々5000円払ってCPAPをレンタルするか……。
歯に装着するだけのマウスピースと違って、鼻から圧力で空気を送り込み、気道を広げることで無呼吸を改善するCPAPは、頭をゴムベルトで固定して、鼻にマスクをかぶせます。なんだかみっともない気がして恥ずかしくて、子どもたちに見られたくなくて、ずっと避けていました。
でも、同じ失敗はしたくない。新しい職場での自分の居場所を守るべく、私はCPAPのレンタルを決意。なんと検査入院以降行かなくなっていた耳鼻咽喉科に、相談に行ったその日にレンタルしてもらえました。検査してからだと思っていたので、驚きました。
しばらく自宅で使用してみると私には合っていて、使ってすぐに効果を実感できました。何より起きてすぐに疲れていた体が軽くなり、なんだか気分がスッキリと感じたのです。
勤務中に居眠りする回数も激減しました。それから3週間後に検査入院することになりました。前回と違うのはCPAPをつけての検査だということ。結果は歴然としていました。1時間に呼吸が止まっていたのはたったの3回。正常値へ変化していたのです。
個人面談で居眠りをしていると指摘を受けて、すぐに耳鼻咽喉科へ行き、CPAPを選択するという行動に移したことで、上司の見る目が変わったこともうれしいことでした。今まで言い訳をしてはのらりくらりと問題を後回しにしていましたが、行動を起こすことで良い方向へと進めることができると実感しました。
転職で環境が変わったこと、ちゃんとした睡眠が取れることで、仕事の効率は上がり、周りの目を気にする必要がなくなりました。事情を知らない同僚には、ただの居眠りで、給料泥棒にしか見えていなかったはずです。
今でこそ病気として認知度が上がっていますが、まだまだ理解が得られない病気です。できることはやってみて、良くならなければ次を考える。病気に限らず柔軟な対応と行動力はこれからも意識していきたいと思います。そして、今はCPAPで睡眠を改善できていますが、これからは肥満を解消し、CPAPがなくても十分な睡眠が得られるように努力したいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。
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