病院で出会った私とよく似た主婦たち
仕事も家も、私がいなくなったら大変……そう思い込んでいたのは私だけ。いったんすべてを手放しても、周りは意外とあっさりそれを受け入れてくれたことが信じられない気持ちでした。
開き直ることで家庭や仕事でがんじがらめのストレスから解放された入院中、同室になった何人かの患者さんと親しくなりました。そこで仕事や家族、入院するまでの生活などについて語り合う機会がありました。患者さんの中には脳梗塞だけでなく、脳出血やくも膜下出血の方もいます。
そこで驚いたのは皆、性格や家庭環境がよく似ているということです。
仕事熱心で家族思い、何でも自分ひとりで背負い込み、自分のことは後回し。疲れきっていることも、無理をし過ぎていることにも気付かず、入院してようやくわれに返った人ばかり。夫は家のことを何もしない・できないという共通点もありました。
そして、「これからはもっと家族に頼らなくちゃね」と話して、それぞれ退院していったのです。
まとめ
脳梗塞を機に、私は「~すべき」の性格を猛省し、「まあ、いいか」の精神で過ごすことに決めました。仕事は無理なスケジュールを避け、家事も家族の手を借りるようにして、ストレスをため込まない生活を実践中。先日、娘から「お母さん、性格変わったね」と言われ、思わずほくそ笑んだのでした。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/新田正光先生(千葉西総合病院 副院長・循環器内科部長)
1997年秋田大学医学部卒業。循環器専門医、総合内科専門医として活躍している。他にも心血管インターベンション治療学会専門医、透析専門医、救急科専門医の資格も取得している。日本内科学会 総合内科専門医・指導医。その他、日本心血管インターベンション治療学会、日本透析医学会、日本救急医学会や日本不整脈心電図学会の専門医も勤めている。
イラスト/おんたま