
顔のシワやたるみが気になる女性は多くても、デリケートゾーンの肌は……!? 同じ肌でも後回しにしがちなデリケートゾーンのスキンケア。放置し過ぎるとかゆみなど不快な症状が出ることもあるようです。アンチエイジング専門医の黒田愛美先生に、40代・50代女性が知っておきたいデリケートゾーンのケアについてお話をうかがいました。
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
★関連記事:顔のたるみが気になったら、デリケートゾーンも曲がり角! アンチエイジングは可能?【医師監修】
デリケートゾーンが老化するとどうなる?

乾燥がどんどん進行
デリケートゾーンは顔と違って毎日見る人は少ないでしょう。老化するとどうなるのでしょうか。
「皮膚には“セラミド”という成分が含まれており、さまざまな刺激から肌を守るバリア機能と保湿力を高めています。しかし、この“セラミド”は加齢とともに減少することがわかっています。
また、50歳前後に訪れる更年期に入ると女性ホルモンが減少し、体の組織に含まれる潤い成分が失われていきます。
そのため、40代以降の女性の肌は乾燥しやすく、ケアをしていかないと乾燥が進み、シワやたるみが増えていきます。
さらにデリケートゾーンは皮膚の中でもデリケートな部分、目の周りと同じくらい皮膚が薄く、さまざまな刺激を受けやすくなっています」(黒田先生)。
VIO脱毛している人は特に乾燥しやすい
VIO脱毛をしている人は特に乾燥には注意が必要だそうです。
「脱毛処理をすることで皮脂腺がダメージを受け、皮脂がほとんど分泌されない状態になります。それに加えて皮膚を守る毛がないので血流も滞り、とても無防備な状態になります。
VIO脱毛をしている人は特にしっかりケアしてほしいですね」(黒田先生)。
デリケートゾーンのスキンケア、どうする?

弱酸性のアイテムを選んで
それでは、デリケートゾーンのスキンケアはどのようにするのが良いのでしょうか。大多数は体のついでにせっけんやボディソープで洗って、そのまま……ではないでしょうか。
「スキンケアの基本は洗浄と保湿です。そのとき、ちょっと気を付けたいのがアイテムの選び方です。
肌には「表皮ブドウ球菌」という美肌菌とも呼ばれる良い菌があります。その菌はグリセリンという保湿力を高める潤い成分を作り出して弱酸性を保つことで、皮膚のバリアをつくっています。
そのため刺激の強いものや殺菌作用のあるアイテムを使用すると、皮膚のさまざまな常在菌が死んでしまいバランスが崩れてしまいます。それが乾燥やたるみの原因となってしまうのです。乾燥すると傷つきやすくなりバリアが壊れ、さまざまなトラブルを引き起こします。
さまざまなトラブルから皮膚を守るためには皮膚を弱酸性に保つことが大切です。デリケートゾーンの皮膚は顔の皮膚より弱酸性に傾いており、顔がpH4.0~6.0に対してデリケートゾーンはpH3.8~4.5とされています。
ですから、デリケートゾーンの皮膚はpH3.8~4.5に近い弱酸性の洗浄剤や保湿剤を選ぶのがベターです。
普段使っているお気に入りのフェイス用化粧品でも問題はありませんが、より仕上がりにこだわりたいなら、pH3.8~4.5に保たれた、デリケートゾーン専用アイテムでケアすると良いです」(黒田先生)。
ごしごし洗いはNG
「また、かゆみがあるとつい、ごしごし洗いたくなってしまいますがやめましょう。先ほども言ったように皮膚の表面には「表皮ブドウ球菌」があり、バリア機能を高めています。洗い過ぎると良い菌まで洗い流してしまい、トラブルの原因となります。
顔と同じように洗浄剤をよく泡立て、泡でやさしく洗いましょう」(黒田先生)。