若いころは気にならなかったコレステロールも、健康診断を受けるたび上がってくると心配になってしまうもの。動脈硬化の原因ともなるコレステロール値が上がってきたら、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか。栄養外来で食事指導をするアンチエイジング専門医・黒田愛美先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田あいみ先生(Zetith Beauty Clinic 医師)
美容外科、美容皮膚科、予防医学(栄養療法)、アンチエイジング専門医。Zetith Beauty Clinic 、東京美容外科沖縄院にて勤務。トライアスロン日本代表の経歴を持ち、⾃分がアスリートであることも⽣かしつつ、美と健康のスペシャリストとして「中からと外からの美と健康」を信念に、外から(美容医療)だけでなく、中から(分子栄養学、予防医学)の美と健康の権威として多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。著書に、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された「アスリート医師が教える最強のアンチエイジング」(文藝春秋社)がある。
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脂肪分の多い食品を控えるだけでは不十分!
コレステロールを下げるというと、揚げ物など脂っこい食品を控えるという対策がまずは思い浮かびます。しかし、黒田先生はそれだけでは不十分だと言います。
「コレステロールの多くは肝臓で合成されるもので、暴飲暴食をしていない限り、食品から分解して合成される量はそれほど多くありません。コレステロールは細胞膜やホルモンなどを合成するための原料であり、体には欠かせない成分です。本来なら原料として使われた後、胆汁酸となって排出されれば体内にたまることはありません。
しかし、40代以降になると女性ホルモンの分泌が少なくなることも関係して、コレステロールが使われずに悪玉コレステロールとなります。それが問題なのです」(黒田先生)。
腸内環境を整えることが大事
栄養外来に訪れる人の中には悪玉コレステロール値が高い患者も。そのような人に対してはどのようなアドバイスをしているのでしょうか。
「悪玉コレステロール値が高い患者さんに対しては、一般検査に加えて、腸内環境の検査(遅延型アレルギー検査)をおすすめしています。悪玉コレステロール値が高いということは、本来排出されるべき胆汁の在庫を腸に抱え込んでいるということとイコールです。
ですから、まずは腸内環境を整えて、腸の胆汁を一掃するようにアドバイスしています。
コレステロール値が高いという悩みに限らず、体調不良の多くは腸内環境が関係しています。まずは検査で、自分の腸内環境の状態を知ってほしいと思います」(黒田先生)。