婚約者の父に「片親の家庭は不安」と言われ…黙っていた父のひと言で場が凍った日
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がんになっても元気に過ごしていた父ですが、あることをきっかけに一気に病状が悪化。ホスピスにも受け入れてもらえず、病院に入院することもできず、突然の自宅介護生活が始まりました。本人も家族も本当に過酷だった1カ月間の話です。
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父は3、4年ほど前にスキルス胃がん(胃壁を硬く厚くさせて広がっていくタイプの胃がんで、進行が早いと言われる病気)のステージ3と診断されました。運良く消化器系のがん治療の世界的権威とされる先生に出会い、治験(病気に効果が期待できる薬の候補を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験)による最先端の先進医療を受けることで、それまで通りに会社に通い、隔週の通院のみという生活を続けてきました。
スキルス胃がんは生存率が低いがんと言われていましたが、父は一度手術をしたのみで、その後は本当に元気なままでした。しかし、コロナ禍の影響で海外の製薬工場で治療に必要な薬の生産がストップし、突然輸入されなくなってしまいました。
薬を変更しましたが、それを機に父は一気に悪化。仕事をし、スポーツなども適度にしていた父ですが、そこからは一気に死に向かいました。
父は元々、最期は治療を受けていた病院のホスピス(死が迫っている患者とその家族の苦痛を最小限にすることを目的とするケア)に入る予定でした。しかしこんなに早く悪化するとは誰も予想していなかったため、まだ予約は取っていませんでした。
コロナ禍の影響を受け、同じような立場の人が多くいるらしく、他のどのホスピスをあたっても空きはなし……。空いてもすでに予約で埋まっているとのことでした。どうしようもなくなり、病院側は移動による父の体の負担を考え、自宅の近くの大きな病院に紹介状を出しました。しかし、実際に行ってみるとそこも新型コロナウイルスの影響で満床。もはや絶体絶命となり、最終的には消去法で「自宅介護」となってしまいました。
自宅介護は、現実的には想像を絶するくらい家族の負担が大きく、うちは家族全員が休職しました。介護が始まるまでの数日間は分単位でタスクがあり、常に来訪者があるような状況。忙し過ぎて、そのときの記憶があまりありません。
介護が始まり、毎日のように業者やケアマネジャーさん、看護師さんなどが訪ねて身の回りのことをやってくれましたが、1日のほとんどの時間を家族が診て、栄養を少しでも多くとらせ、マッサージや排泄の世話などもしなくてはいけません。父を移動させる際も毎回母が背負っていくなど、身体的負担も大きくありました。
薬が使えなくなってから1カ月ほどで父は逝きましたが、骸骨のようになっていきながらも、ホスピスのような手厚い介護、穏やかな時間の中で逝けなかった本人もつからったと思います。現に最期の数日は、声を絞り出して「点滴をしてほしい」と伝え、看護師さんに何度も来てもらっていました。また、病院と違い、死亡確認に医師を呼ぶこと、死後の手続きやケアも自分たちでやらなくてはいけないことも家族の心の負担になった気がします。
周りの人は、「自宅介護にしてくれてよかった。そのおかげで最期に会えた」と言ってくれましたが、当事者の立場からすると、やはりそのようなきれいごとにはなかなかなりません。本人が間違いなく最期まで苦しんだこと、介護をする家族は体を壊すくらいの負担があったこと、喧嘩も多発したこと……やはり、「これでよかった」とは思えないのが正直なところです。手厚い緩和治療を受けながら穏やかに逝ってほしかったというのが本音です。最大のミスは、まだ先だと思い込み、ホスピスの予約をしていなかったこと。「まだ先」という考えの甘さが今回の事態を招いてしまったと感じます。とはいえ、慣れ親しんだ自宅で最期を迎えられたので、そこだけは父も満足してくれたかもしれないと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
文/大東礼
ウーマンカレンダー/介護カレンダー編集室
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