「喉に何か詰まっている?」40歳で突如襲った喉の違和感。基礎体温の記録で見えてきた意外な事実とは
40歳になったころ、突如として生じた喉の違和感。喉に何か詰まっているようで何度もせき払いをしたり水を飲んだりしましたが、その違和感は消えませんでした。そ …
ウーマンカレンダー woman calendar
ホルモン補充療法は、つらい更年期障害を改善する治療法です。しかし、更年期障害にもさまざまな症状があります。ホルモン補充療法はどんな症状に効果があり、どんなメリットがあるのか。また、副作用などのデメリットはないのか。治療方法や費用のことなども含めて、産婦人科医の沢岻美奈子先生に教えてもらいました。
★関連記事:ホルモン補充療法は「乳がんの発症率」が本当に上がるの? リスクを専門医が回答!【医師解説】
教えてくれたのは…
監修/沢岻美奈子先生(沢岻美奈子 女性医療クリニック院長)
乳がん検診を含め、女性特有の検診をワンストップでできる神戸の婦人科クリニック「沢岻美奈子女性クリニック」院長。市検診や企業検診含め、年間約3000件の検診をおこなっている。乳がんサバイバーも多い更年期世代の患者さんとのやりとりを通じて日常の診察で感じ考えることや、女性のヘルスケア専門医目線での医療情報をInstagramに毎週投稿し、podcastでも「女性と更年期の話」で発信している。
女性は更年期(45~55歳ころの閉経を挟んだ約10年間)になると、ホルモンのバランスが崩れて生理が不順になり、人によっては心身にさまざまな不調が現れます。
他の病気を伴わない不調を「更年期症状」と言い、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と呼びます。更年期障害の一番の原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な低下です。
ホルモン補充療法とは、少量のホルモンを補うことでエストロゲンの減少程度を緩やかにし、更年期障害を改善する治療法です。
生理が順調でも、30代に比べて疲れやすい、眠りの質が落ちたなどの体調の崩れを感じる場合は、更年期症状が出ているケースかも。そういう場合にもホルモン補充療法を受けることで落ち着く場合がよくあります。
ホルモン剤には若干血液を固まりやすくする働きがあるため、脳卒中や心筋梗塞、冠動脈疾患などの既往歴がある人、喫煙者や血液をサラサラにする薬を内服している人はホルモン補充療法を受けられません。
過去に子宮体がんや乳がんを経験した人は、場合によっては受けられないことがあります。
これらの人で更年期障害で悩んでいる場合は、婦人科を受診して症状に合わせた漢方薬を処方してもらう方法があります。
また、高血圧や糖尿病の人や肥満の人、家族に子宮体がん・乳がんを経験した人がいる場合には、病態が悪化する可能性があるため慎重な投与が必要です。最初にしっかり検査をし、医師とよく相談しましょう。
ホルモン補充療法には主にエストロゲンだけを補う方法と、エストロゲンとプロゲステロンを併用して両方を補う方法があります。
エストロゲンだけを半年以上使うと、子宮内膜が増殖して子宮体がんのリスクが高まることが知られています。そのため、子宮のある人には、内膜の増殖を防ぐ働きがあるプロゲステロンを併用します。併用により、子宮体がんのリスク軽減が可能です。
手術で子宮を摘出した場合には、子宮がんの心配がないので、エストロゲンだけを補う方法で治療をおこないます。
ホルモン補充療法の薬には、飲む・貼る・塗るの3タイプがあります。
貼る、塗るタイプは、飲み薬に比べると胃腸や肝臓への負担がかからず副作用が少ないですが、かゆみ・かぶれなどが出る場合があります。
飲むタイプは手軽に用いることができて便利ですが、胃腸や肝臓に負担がかかることがあります。
他にも、腟がかゆい・乾くなどの症状がある場合には、腟に入れる錠剤を処方する場合も。また、更年期の症状に対応した漢方薬を併用する場合もあります。どの薬を用いるかは、患者と医師で相談して決めます。
いずれの薬も家で自分で用いますが、症状の確認や薬の処方などのために2〜3カ月に1回程度の通院が必要です。
ホルモン補充療法は保険適用で、薬代は病院や使用する薬剤によって異なりますが、だいたい月に2,000〜3,000円。漢方薬と併用する場合は、4,000〜5,000円程度です。
ホルモン補充療法で不足していたエストロゲンが補充されると、乱れていた自律神経のバランスが整い、多くの症状が改善します。主に下記の効果があり、それに伴ってイライラや気持ちの落ち込みが改善するケースも多くあります。
・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)や発汗などの改善
・動悸など自律神経系の不調の改善
・閉経後骨粗しょう症の予防と改善
・萎縮性腟炎や性交痛などの改善
・悪玉コレステロールの低下
・コラーゲンを増やし、皮膚や粘膜に潤いを与える
・胃がんや大腸がんなどがんのリスクの低下
更年期になるとコレステロールは自然に上がりますが、ホルモン補充療法をすると下がることが知られています。
胃がんや大腸がんなどのがんリスクも低下しますが、これについてははっきりした原因はわかっていません。それでも、女性のがんで2番目に多い大腸がんのリスクが低下するのは、うれしい効果と言えるでしょう。
ホルモン補充療法に重大な副作用はありません。使用を始めたときに下記のような副作用が現れることがありますが、多くは薬の頻度や量を調節することで1〜3カ月で治まります。
・不正出血
・乳房のハリや痛み
・おりもの
・下腹部のハリ
・吐き気 など
・ごくまれに血栓症を引き起こすことがある
副作用の多くは薬の頻度や量を調節して改善できます。特に不正出血は多く見られますが、深刻な問題につながることは稀です。ただし、更年期以降、特に閉経後には子宮体がんの発症リスクが高くなります。
月経と異なるタイミングで予定外の出血があった場合は、子宮体がんの検査を受けてみることをおすすめします。
日本女性の9人に1人が罹患すると言われる乳がん。40代後半から増えて、60代が一番多いのが特徴です。
乳がんのがん細胞の60~70%は、エストロゲンの影響を受けて増殖するため、エストロゲンを補うホルモン補充療法が乳がんリスクを上げるのではと懸念する声が多くあります。
しかし、2004~2005年に厚生労働省研究班が調査をおこない、ホルモン補充療法経験者が乳がんになる危険性は、ホルモン補充療法未経験者の半分以下だったという結果を公表しています。
その後の研究でも、ホルモン補充療法が乳がんの発症に与える影響は、肥満やアルコール摂取、夜勤の仕事などが与える影響と同程度の小さいものであることがわかっています。
40代になって、生理が不順になったり体調に変化を感じたりしたらホルモン補充療法を検討しても良いでしょう。
不調が軽いうちに始めることで、比較的スムーズに改善できます。しかし、めまいがしたから耳鼻科を受診して……と遠回りしている期間が長いと、症状が悪化して改善まで長引いてしまうことも。
更年期世代で体の不調を感じたら、まずは婦人科を受診し、検査をしてみることをおすすめします。
数年前までは、乳がんリスクへの不安などから「ホルモン補充療法の上限は5年程度」や「60歳ぐらいになったら終わりどきを見つけよう」などと言われてしました。
しかしその後、さまざまな調査で、乳がんのリスクが高くないこと、ホルモン補充療法を長くやっている人に健康被害がないことなどがわかってきて、やめどきについての考え方も変わってきています。
今は女性の平均寿命が伸び、更年期である50代以降の人生が長くなりました。本人が「症状が改善したのでやめます」というのであれば、それもまったく問題ありません。
でも、症状が続いていて、ホルモン補充療法を続けることで症状が改善し、定期的な検査でも問題ないのであれば、期間に上限を設けなくて良いというのが、最近の専門医の間での認識です。
更年期障害の期間や症状は、人によって大きく異なります。やめどきを自分で決めることができるのは、女性にとって大きな安心と言えるでしょう。ただし、更年期を長く快適に過ごすためには、定期的な検診を受けることが欠かせません。自治体や職場の健康診断などをじょうずに活用していきましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
取材・文/かきの木のりみ
4つの編集プロダクションで紙媒体の編集をしつつWebの学校に通い、Webと紙両方の編集に携わるようになって約20年。スポーツは見るのもやるのも好きなのだけど、最近はすっかり見るほうに……。
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
インスタグラムやブログで家族の話をつづっているおーちゃんによる50代の日常を描いたマンガ。 アラフィフのおーちゃんは、仕事がお休みの日はとことん家にひきこもることを決めています。天...
続きを読む長男の私は久しぶりに母と会えるお盆を楽しみにしていました。しかし、妻と一緒に帰省すると何だか母の様子がおかしいのです。さらに妻も母に嫌われていると言いだし、先に都内に帰ると出て行っ...
続きを読む私の夫は仕事中の事故で負傷し、それ以来リハビリ生活を余儀なくされる状態になってしまいました。今は私が家計を支えるため毎日一生懸命働いています。しかし生活は大変。高校生の息子にも迷惑...
続きを読む私は、長年共同経営していた親友に裏切られ、苦労してもり立ててきた会社を奪われてしまいました。絶望のどん底に落ちた私でしたが、経済記者をしている娘から、とある情報を受け取って……。...
続きを読む子どもたちが小さいころから、決して “子育てに積極的” とは言い難かった夫。そのくせ、成長した子どもたちに子育ての苦労話を恩着せがましく披露しては、辟易(へきえき)させています。あ...
続きを読む40歳になったころ、突如として生じた喉の違和感。喉に何か詰まっているようで何度もせき払いをしたり水を飲んだりしましたが、その違和感は消えませんでした。そ …
静かな地方都市で時々遭遇する「爆音懐メロカー」。不快に感じながらも、どこか懐かしさを覚えるその正体とは。音楽と地域社会の関係性について、ある日の体験から …
普段から運動は欠かさず、食生活にも気を配っているため、健康には自信がありました。ところが2019年の健康診断で、夫婦ともに悪玉(LDL)コレステロール値 …
弟の結婚式に出席したときのことです。私は少し緊張していたせいか、恥ずかしいミスをしてしまいました。 ★関連記事:「下着が丸見え!?」ただのセーターだと思 …
品ぞろえ豊富でコスパも抜群、今大人気のスーパーマーケット「ロピア」。今回はその中でもネタが新鮮でおいしいと評判の鮮魚コーナー「魚萬」に注目。ロピアマニア …
55歳から漫画を描き始めたナランフジコさんによる、熟年夫婦の生活を描いたマンガ。 夫に、古くてガサガサなタオルを捨てるか確認したフジコさん。しかし、夫が …
イラストレーター&漫画家のフカザワナオコさんによる、アラフィフ女子の日常を描いたマンガ。今回はスキンケアアイテムについてお届けします。 ★前の話 …
彼とは、結婚の約束を交わしていたわけではありません。それでも、4歳年下の彼と私は深く愛し合い、時にその関係は肉体的なものにも発展しました。 ★関連記事: …