「私だけ浮いている…!」ドレスコードの自分基準が甘かった!?私の赤面エピソード【体験談】
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私の母は、骨折で入院していたときに、医師から軽度の認知症があることを告げられました。それから3カ月がたち、自宅でひとり暮らしをする母をサポートするため、近くに住む兄は週末は必ず実家へ行き、買い物や家事の手伝いを。離れて暮らす私は、週の半ばに電話をして安否確認と心のケアをしていました。そんな折、久しぶりに叔母から電話がかかってきて……。叔母を驚かせた母の異様な様子についてお話しします。
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母が退院して3カ月がたったころ、何年も話していない叔母から電話がありました。「お母さんに電話したのだけれど、耳が聞こえないと言われてちゃんと話ができなかった」と、困った様子でした。
叔母は、母には定期的に電話をしてくれていて、入退院のことも知っています。しかしこの日、叔母が母に電話すると、いつもは朗らかに受け答えする母が「誰? 耳が聞こえないから何をしゃべっているのかわからない」と、まるで人が変わったようなきつい口調で電話を切ったそうです。あぜんとした叔母は電話をかけ直すこともできず、仕方なく私に電話をしたとのことでした。
私は叔母に、「母が軽い認知症であることが最近わかった」と伝えました。それを知った叔母が、少し日にちを置いて母に電話をかけ直すと、母は機嫌よく対応したそうです。
実は母の機嫌の良し悪しは、母の退院後、私が実家に帰省したときにも感じていました。母は退院後の1週間、骨折手術をした手首に負担をかけないよう、バスタブに入らずシャワーで済ませていました。ですが、その日は私が介助することができたので、母にお風呂に入ってもらうことにしました。
実家の古いお風呂はバスタブが深く、出入りが大変なので、私も一緒に浴室の中に入り母を支えようとすると、母は急に「そんな所にいると邪魔で危ない! 自分でできるから出て行って!」と怒り始めたのです。それでも諦めず、サポートしようとしたのですが、母は私の手を何度も振り払い、最後には「出て行け!」と男性のような野太い声で叫びました。
私は仕方なく浴室のドアの外で待機することに。そして、母がバスタブから上がるとき、再び浴室に入り手差し伸べると、母はまた「大丈夫だから出て行って!」と声を張り上げました。
しかし、母はお風呂から上がると上機嫌に。娘に怒声を浴びせたことなどすっかり忘れたように、「今日はお湯に浸かれてよかった」とご満悦でした。
認知症になった母の様子を見ていると、感情に大きな波があることに気付きました。良いときは昔のままのしっかり者の母なのですが、悪いときは同じことを何度も聞いたり、急に怒りだしたり、泣きごとを言ったり。記憶と感情に起伏があるのです。
調べてみると、認知症の人は、日や時間によって認知機能のコンディションが変わるそうです。良く知られている「アルツハイマー型認知症」は緩やかに症状が進行しますが、「レビー小体型認知症」は、良いとき悪いときの波が大きいそう。そして、「血管性認知症」の場合は、認知機能の低下がまだらに表れ、「まだら認知症」ともいわれるそうです。
母の認知機能がどの型なのかは、詳しく調べていないのでわかりませんが、突然やってくる急な変化も症状の1つと受け止め、やさしく接していけたらと思います。
祖母が私に電話で言っていた、母にキツい言い方をして電話を切られた理由は、きっと母のコンディションが悪いときだったからでしょう。それでも、母との会話がきちんと成立することもあるので、そのときは「まだ大丈夫」と安心できます。いつかまともに会話ができなくなるかも……と思うと複雑ですが、根気強く母のサポートを続けていきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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