- 2025.05.15
- スカッと体験談,
「ググればわかるので」上司の指示を拒否する新人社員…お望み通り好きにさせた結果
小さな会社で会社員として働く私。社長の1人娘A子が入社してきてからというもの、職場で嫌な思いをすることが増えてしまいました。その理由は、この社長令嬢の態 …
ウーマンカレンダー woman calendar
現在施設に入所している80代後半の父は、75歳のときにあることをきっかけにアルツハイマー型認知症(脳の神経細胞が減り、脳が小さく萎縮することで症状が現れる認知症)との診断を受けました。当時の父は体のあちこちが痛むようになったと言いつつも年齢の割に足腰が丈夫で体力もあり、定年退職後は初孫である私の息子の相手や、自治会活動、地域でのボランティア活動を楽しんでおり、家族には青天の霹靂(へきれき)でした。
★関連記事:ついに認知症が始まった!? 入院した父が急に話さなくなったその理由は【体験談】
2010年の秋、私は正社員として勤務しており、息子は小学校3年生でした。息子は数日前から風邪をひいており、その日の朝には熱は下がりましたが大事を取って学校は休ませることにしました。しかし、私は仕事を休むことができず近所に住む私の両親に家に来てもらって息子の世話を頼むことにし、私の出勤時間に合わせてまず父のみが来てくれました。
お昼少し前、携帯に母から着信がありました。「これから救急車を呼ぶから。何時ごろなら帰って来られる?」。「えっ!? 息子に一体何があったの?」と気が動転する私。しかし、その後の母とのやりとりがかみ合わず、落ち着いて話を整理してみると、具合が悪いのは父だったのです。
自宅にいた母に息子から「おじいちゃんが気持ちが悪いと言って、トイレで苦しそうに吐いている。どうしよう」と電話があり、10数分後に駆けつけてみると、意識もうろうで真っ白な顔の父が嘔吐し、「頭が痛い、体の左半分がしびれるような気がして立っていられない」と訴え、救急車を呼ぶことにしたとのことでした。
幸い私の勤務先は自宅の近くで救急隊の方が搬送先を決めている最中に帰宅することができました。そして脳外科のある病院へ搬送しようとしましたがどこも受け入れが難しく、定期的に通院していた近所の総合病院に運ぶことが決まり、父と母を乗せた救急車を見送りました。
数時間後、母から連絡があり「現在、意識はハッキリしていて、吐き気と頭痛も治まっている。CTで確認したところ頭部に大きな問題はないけれど念のため数日入院となったから」とのこと。ただ、左半身のしびれた感じは残っているようで、紹介状を出すので退院後に詳しい検査のできる脳外科を受診するようにと言われたとのことでした。
とりあえず最悪の事態は免れたとホッとしました。しかし翌日の朝、またしても母から驚く内容の電話が来たのです。「お父さんすっかり元気になって、退院させろ!と言っているの。病院としても特に治療することはないし早めに脳外科のある病院へ行ったほうが良いですよと言うので、これから退院することになったから」と母。「今日これから!? 昨日は数日入院って言っていたよね?」と私。どうやら、一度言い出したら聞かない父が「もう大丈夫だから退院させろ!」と騒いだらしく、病院側もそれならということとなったようで、母と私は仕方がないと大きなため息をつくばかりでした。
「それで、紹介状を書いてくれた脳外科のある病院を明日受診しようと思うのだけれど、一緒に来てもらえる?」とのことで同行することとなりました。そして、その受診の際にまさかと思うような事実がわかるのでした。
脳外科では、頭部MRI検査をおこないました。
「脳梗塞などの心配はないのですが、脳の萎縮が始まっており、アルツハイマー型認知症の初期段階ですね」との診断でした。「それと気になることがあるのですが。お薬は何か飲まれていますか?」との質問を受けました。
ちょうどそのころ、母は父が随分多くの薬を服用していることに疑問を持っていました。父は「病院から出されたのだから!」の一点張りで、この機会にと医師に確認していただきました。そこでわかったのは、父は元々通っていた内科以外に、整形外科、ペインクリニック(神経ブロック:一時的あるいは長期間にわたり神経機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療をおこなうクリニック)など、母の知らぬ間にあちこちの病院に通っていたのです。
その都度薬を処方され、それぞれの病院近くの調剤薬局で受取り、同時にお薬手帳も発行されていました。つまり通っていた病院の件数分だけお薬手帳を持っており、その薬局で受け取った薬のみの記録がされていたのです。
「そうすると、別々の病院から同じような成分の薬が同時期に処方されている可能性がありますね。飲み合わせについても改めて確認が必要です。おそらく今回の頭痛や吐き気は、薬剤の過剰摂取や飲み合わせに問題があったのではないかと思います。あと左半身のしびれは整形外科にも通われていたようですし、機能的な問題ではないかと思います」との医師の見立てでした。
父の場合、たまたま脳外科を受診したことからアルツハイマー型認知症の初期段階であることがわかりました。家族としてはショックではありましたが、「今なら薬で進行を遅らせることが可能かもしれません」と言われたのは幸いでした。また、薬の受取りについては一カ所の薬局でお願いすることにし、父が最も頼りにしている調剤薬局さんで一元管理をしてもらうこととしました。家族の見守りがいかに大切であるかを考えさせられた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む私はただ今42歳。フォトグラファーをしています。現在も独身ですが、好きな仕事にまい進できる日々には大満足。年老いた両親と一緒に実家暮らしを続けています。家族3人で仲良く穏やかに過ご...
続きを読む小さな会社で会社員として働く私。社長の1人娘A子が入社してきてからというもの、職場で嫌な思いをすることが増えてしまいました。その理由は、この社長令嬢の態 …
2人目の子どもを出産してから、日々の育児疲れもあって、私はほとんど性欲を感じなくなってしまいました。 ★関連記事:「夫が豹変…!」子育てで消えた夫婦生活 …
2児の母のイルカさんによる、舞台女優さんの体験談を描いたマンガ。先輩女優のマイからの嫌がらせで、カボチャ役を演じる新米女優のミサキ。セリフなしでも懸命に …
結婚して片田舎で夫の義両親と同居生活を始めてから25年余り。今や義両親は80代です。幸い、義父は高血圧対策の薬を飲んでいるものの、黙々と畑仕事に精を出し …
2児の母のイルカさんによる、舞台女優さんの体験談を描いたマンガ。新米女優のミサキは、先輩女優のマイからの嫌がらせでカボチャ役を演じることに。セリフのない …
2児の母でありヲタクであるエェコさんによる、お父さんが倒れたときの話を描いたマンガを紹介します。 エェコさんのお父さんは脳の病気で倒れ、リハビリ院に入院 …
孫を溺愛している義父と義母は、わが家に来るたびに「孫にプレゼント!」とおもちゃを持ってきたり、しょっちゅう宅配便を送ってきたりします。物をいただけること …
春に第1子を出産しました。帝王切開で入院が長引いた上、赤ちゃんも保育器に入っていたため、しばらくは家族以外のお見舞いをお断りしていました。退院して赤ちゃ …