「喉に何か詰まっている?」40歳で突如襲った喉の違和感。基礎体温の記録で見えてきた意外な事実とは
40歳になったころ、突如として生じた喉の違和感。喉に何か詰まっているようで何度もせき払いをしたり水を飲んだりしましたが、その違和感は消えませんでした。そ …
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腎臓や尿管、膀胱に結石と呼ばれる石ができる病気である尿路結石症。特に働き盛りの男性に発症しやすいといわれており、私の夫もその1人です。若いころから尿路結石症を繰り返していた夫が、再び尿管結石に苦しみ、手術をする事態になってしまった体験談を紹介します。
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私の夫は20歳より尿路結石症を繰り返し、開腹手術まで体験している尿路結石症のエキスパート。普段から「石製造マシーン」と自称していたので、今回症状が出たときも、またか! という感じで、あまり心配はせず見守ることに。
腹痛に苦しむ夫に「大丈夫? 病院へ行く?」と提案しますが「対処法はわかっている。いつもと同じ感じだから大丈夫だ」と豪語する夫。これまでも繰り返し経験している病気なだけに、本人に任せればいいか……と、それ以上強く受診を勧めることはしませんでした。
尿路結石症は、腎臓で作られた結石が、尿管と呼ばれる細い管に下りてくることで、突然の激しい腰痛や腹痛(せん痛発作という周期的に反復する痛み)、血尿といった典型的な症状が現れるそうです。小さい結石であれば尿とともに排出され症状が軽快するため、夫は自然に出るのを待とうとしたようです。
尿管結石による痛みは夜間や早朝に発生しやすく、3~4時間続くケースが多いといわれているそうです。夫ももれなく毎晩襲ってくるせん痛発作にもだえ苦しんでいましたが「まだ耐えられる! じきに出てくるよ」と、病院を受診する素振りは見せませんでした。
その後も「本人がそう言うなら大丈夫か……」と、トイレから漏れ聞こえる夫のうなり声を聞きながら、病院受診を再び勧めることはしませんでした。
ところが数日後、夫の病状は悪化し、痛みは1日中続くように。普段より水分を多くとるなど、夫なりの対処法を実践していましたが、一向に結石が出てくる気配はありません。「こんなに長く放置していいのだろうか……」と、本人の大丈夫との言葉をうのみにしていた私もだんだんと心配になってきました。
「でも熱は出てないし、深刻な状態ではなさそうだから大丈夫かな?」と、思った矢先、トイレから出てきた夫を見て驚がく! 血尿が止まらず顔面は蒼白(そうはく)、今にも倒れるのではないかという状態まで病状は悪くなっていました。
さすがに病院を受診するべきだと思い、フラフラの夫を連れ近所の泌尿器科クリニックへ行きました。夫の状態を診た先生は、すぐに大きな病院を受診したほうが良いと判断。紹介状を持って総合病院へ受診した結果、即入院となりました。
入院した時は微熱程度で、重症化はしてないだろうと思っていましたが、腎盂腎炎(じんうじんえん:腎盂やその周辺の組織が細菌によって炎症を起こす病気))になる一歩手前の状態だと告げられ衝撃を受ける結果に。結石は1cm以上の大きなもので、自然に排出されるサイズではありませんでした。翌日には手術をすることになり、急展開の事態にただただ驚くばかり。
主治医からも「どうしてここまで放置したんですか!? 取り返しのつかない事態になっていたかもしれないですよ!」と、夫婦でお叱りを受けるはめに……。夫も、いつものものだと尿路結石症を軽視して対処したことを猛反省していました。
手術は尿道から細いカメラを入れて結石を砕く、内視鏡手術でした。開腹する手術までに至らなかったことが不幸中の幸いです。術後の経過は良好で、入院して3日後には無事退院、普段の生活に戻ることができました。
クリニックを受診したその日のうちに紹介状をもらい、即入院、そして翌日には手術。と、目まぐるしい数日間でしたが、それよりも最悪の事態を免れることができてホッとしたことを今も覚えています。
20歳で発症し、今回の出来事が起こったときの夫は44歳。20年以上も付き合っている病気のため、結石ができやすい体質だと慣れが出ていたように思います。繰り返し経験してきた結石による痛みも、悪い意味で耐性がつき、今回のように限界まで我慢する事態へとつながる結果になってしまいました。
夫は「結石が再発しないよう気を付けているつもりだったけど、なおざりになっていた。これからは軽く考えないようにするよ」と、改めて尿路結石症と向き合うようになりました。私自身も、症状が出たらまずは受診を促すよう心がけていこうと決心。今回の出来事は、今までの健康に関する考え方を夫婦で見つめ直すきっかけにもなり、忘れられないエピソードになりました。
慣れている病気だからと本人任せにしていた今回の尿路結石症。「大丈夫」という夫の言葉をうのみにし、病院への受診を促さなかったことを後悔する結果になりました。新婚時代なら心配をしてもっと早く声をかけていたかも、と思う節も。さらに状態が悪化し、取り返しのつかない状況になっていたら……と考えるだけでも背筋が凍る思いです。
今後は尿路結石症だけでなく、体調不良のときは早めの受診を促すなど、妻としてできることをしていきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開院。2024年に新鎌ケ谷くぼた皮膚科泌尿器科を開院、日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門は泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouTuberとしての情報発信もおこなっている。著書に『EDかも!?と思ったら読む本』(自由国民社)がある。
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