「突然、かかとに激痛が」立ち仕事8年の40代を襲った異変。整形外科で診断された病名は
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80歳目前で夫に先立たれ、独居生活となった祖母。昔ながらの近所付き合いが残っている地域で、数軒先の面倒見の良い方やヘルパーさん、隣の市に住んでいる母の力を借りて自宅で生活していたのですが、固定電話が元で大量の洗剤が届くというトラブルが起きました。固定電話があることによる弊害を防ぐために考えたのが携帯電話を持ってもらう、という方法でした。ですが、それによりまさかの事件が起こってしまい……。
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私の個人的な思い込みもありますが、お年寄りは新しい物に対する順応性が低いことが多いという特徴があるように感じます。これまでにも、家具・家電などを交換しようとするたびに「今使っている物がまだ使えるのに、新しくする必要はない」とか「新しい物は使い方がよくわからなくて嫌だ」という言葉を祖母からよく聞きました。
例えば、祖母が随分長いこと使っていた電子レンジが壊れたときも、毎日使う物でないと不便だからという理由で買い替えることは了承したものの、ひとりで使えるようになるまでに結構な時間がかかっていました。機能の少ない一番シンプルな物を選んだのですが、以前使っていた商品に比べると、ボタンがたくさんあってどれを押せば良いかなかなか覚えられなかったり、最終的に「温め」以外の機能(トースターや解凍など)は一切使っていなかったりという状態でした。
説明書を見てもよくわからなかったようで、他の人がいるときに何度も練習してやっと温め機能を覚えたのでした。そういうことがあったので、文明の利器とも言える携帯電話に祖母が慣れてくれるかどうか、私も非常に心配だったのです。
最終的に高齢者用の携帯電話を使うことができるようになった祖母ですが、最初は携帯電話という存在自体がいまいちよくわからなかったようです。私や母が使っているスマートフォンを見せて「これで電話ができるのよ」という話をしても、なかなか理解してもらえませんでした。なので、1人が外に出て、もう1人が祖母のところにいる状態で電話をかけたり受けたりを何度か実演したところ、ようやく持ち運べる電話だと理解したようです。
しかし、次の日になるとやはりまた忘れてしまって、最初から説明のやり直しということが続きました。その中で、スマートフォンはボタンもないし、見た目が電話とかけ離れ過ぎているのではないかということに思い当たりました。そこで、当時私の子どもが使っていた子ども用のキッズ携帯を持って行くことに。それはボタンが付いているタイプのキッズ携帯でした。
祖母の家にあった固定電話とは随分違うボタンではありましたが、それであれば祖母は電話だとすぐに認識できました。なので、試しにしばらくそれを祖母に使ってみてもらうことになりました。
キッズ携帯には防犯アラームという機能が付いています。防犯ブザーと同様の機能で、ストラップを強く引くと警戒音が鳴り響くというもの。普段持ち歩いていても、何らかのきっかけでストラップを強く引いてしまうと警戒音が鳴ってしまいますが、鳴ったときはすぐにブザーの位置を元に戻せば止めることができます。
その機能についても祖母に説明し、止める練習も何度もして簡単に止められるようになったのですっかり安心していたある夜、実家の電話が鳴りました。それは近所の方からで「祖母の家でずっとアラームが鳴っている。何かあったんじゃないか」というものでした。
母は慌てて祖母宅に向かいましたが、到着までには時間がかかります。そのうち誰かが通報したのか、警察まで来る事態となってしまい、やむを得ず近所の方と共にドアを壊して入ってもらいました。
結果としては、携帯電話がベッドから落ちた拍子に柵に引っかかって防犯ブザーが作動。祖母本人は鳴っていることはわかっているもののどこにあるのか見つけられずに困って座っていたという状態でした。結果的に何もなかったのでよかったのですが、キッズ携帯ならではの出来事が起こってしまったのでした。
高齢者用の携帯電話には、防犯アラームの機能は付いていません。代わりにワンタッチで電話がかけられるボタンや固定電話に似たボタンがありました。なので、高齢者用の携帯電話のほうがすんなり使いこなせるようになったというオチがあります。とりあえず慣れさせるという意味でキッズ携帯を使ったのはよかったのですが、まさかの事態が起きてしまい、周囲の方々にも迷惑をかけてしまいました。
結果的に、祖母も携帯電話が使えることを確認してから新しい契約を結ぶことができた点ではよかったものの、代償が大きかったです。高齢者に限らず、不測の事態への配慮は不可欠で「大丈夫」と気ラクに考え過ぎてもいけないなと反省しました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/sawawa
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