- 2025.05.15
- スカッと体験談,
「ググればわかるので」上司の指示を拒否する新人社員…お望み通り好きにさせた結果
小さな会社で会社員として働く私。社長の1人娘A子が入社してきてからというもの、職場で嫌な思いをすることが増えてしまいました。その理由は、この社長令嬢の態 …
ウーマンカレンダー woman calendar
長野県の田舎町で1人暮らしをする89歳の母は、昨年の夏、手首の骨折入院をきっかけに軽度の認知症がわかりました。退院後の生活を案じ、隣町に住む兄が手続きをして週2回のデイサービスを受けられることになりましたが、母は「絶対に行かない!」とかたくなに拒否。施設のお迎えも追い返していたのですが……。この半年で母に起こった心の変化についてお話しします。
★関連記事:憧れの早期退職だったはずが…性格に合わない!?のんびり生活に限界を感じ始め【体験談】
デイサービス(利用者が自宅で自立した日常生活を送れるよう、食事や入浴などの支援が中心の介護サービス)では入浴と食事ができるので、手首が不安定な状態で退院する母のことを考えると、週2回だけでもこうして自治体の福祉サービスが受けられることは、とてもありがたいことでした。
退院を前に、母は兄と一緒にケアマネジャーさんの案内で町内にある2つのデイサービス施設を見学。自分で通所する施設を決め、申込書も自分でサインと押印をしたそうです。
ところが母はそんなことも忘れたように「私は自分で何でもできる。そんな年寄りばかりの所に絶対に行かない!」と言って譲らず、お迎えが来るたびに追い返していました。
ケアマネジャーさんの話では、認知症の高齢者は環境の変化に敏感なので、母のように最初は拒絶する人が多いのだとか。それでも、寒くなれば温かい施設でお風呂に入れるだけでもありがたいと通い始めるケースもあるらしく、母の気持ちを尊重しながら「長い目で見守りましょう」と言ってくれました。
神奈川県に住む私は、家族の世話や仕事があるので、そうそう帰省できません。身の回りのサポートは近くに住む兄に頼り、私は毎週電話をかけて母の話し相手になったり、必要なものを送ったりしています。
電話の向こうの母は、デイサービスについて「あんな所、行きたくない」「知らない年寄りと話してもおもしろくない」と当初は文句ばかりで、断固拒否しているようでした。それでも施設の送迎車は決まった曜日に根気強く来てくれていたようで、1カ月ほどすると母の気が向いたときには行く日もあったようです。
そんなときは、電話で「よかったね、家で退屈にしているよりいいでしょ?」と母の気持ちが上がるような声掛けをしてみましたが、「行っても知らない年寄りが座っているだけでおもしろくない。お風呂だけ入って帰ってきた」と、昼食も断り午前中のうちに帰してもらったよう。「それでも、お風呂に入れば気持ちいいでしょ?」とたしなめると「いやいや、自分で好きに入るのと違って、さぁお湯につかりましょう、洗いましょう、出ましょうと追い立てられてゆっくりできない」と不満たっぷりでした。
デイサービスに乗り気でなかった母の気持ちに変化が現れたのは、ケアマネジャーさんの予想通り、冬になってからのことでした。年明けのある日、母に電話をすると「今日はデイサービスでお風呂に入ってきて気持ちよかった」と言うのです。「寒い家のお風呂に入っても温まらないからありがたい」と感謝までして「お昼ごはんもいただいてきた」とご満悦です。
たしかに実家の老朽化した浴室は冬になると桶の水が氷るくらい冷え込み、お風呂を沸かした湯気ぐらいでは十分に温まりません。お湯もすぐに冷めるし、ヒートショック(急激な温度変化に伴う血圧変動)も心配です。そんな寒冷地ならではの冬のお風呂事情が、後押ししてくれたのでしょう。デイサービスへ行くことが増え、以前より長時間滞在するようになることで、顔見知りができたのも、母が楽しみに通う動機になったようです。
のんびりできない性分の母は、ほかの高齢者のようにお昼寝の習慣がないからと午後には家に帰してもらっているそうですが、最近は帰るまでの間、施設のスタッフが昼食の食器を洗う横で、お皿拭きをしているのだとか。「お手伝いしてくれるの? 助かるわぁ!」と褒めてもらったと、電話をかけるたびに母は得意気に話すのでした。
半年前は断固拒否していたのがウソのように、母は今お迎えが来ると喜んでデイサービスに出かけていくようになりました。母の場合、きっかけは冬のお風呂事情でしたが、行った先で知り合いが増え、自分の居場所ができたことが一番の理由だと思います。
母の認知症がわかってから、私たち兄妹は母を施設に入れることばかり考えていましたが、ある程度自立した生活が可能なら、こうして福祉サービスの力を借りながら、母のように自由な生活を続けさせてあげたほうが幸せかもしれない、と思うようになりました。
著者/あらた繭子(55歳)
イラスト/サトウユカ
ウーマンカレンダー/シニアカレンダー編集室
★関連記事:「私はドライバー歴50年!」義母の怖い運転に同居嫁、さぁどうする?【体験談】
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む2児の母、のむすんさんが自身や知人の過去の体験談をもとに描いたマンガ。38歳でパート勤めのみなこさんは、夫と小学生の息子と暮らしていました。ある日、大学時代の友人、るりあと偶然の再...
続きを読む私はただ今42歳。フォトグラファーをしています。現在も独身ですが、好きな仕事にまい進できる日々には大満足。年老いた両親と一緒に実家暮らしを続けています。家族3人で仲良く穏やかに過ご...
続きを読む小さな会社で会社員として働く私。社長の1人娘A子が入社してきてからというもの、職場で嫌な思いをすることが増えてしまいました。その理由は、この社長令嬢の態 …
2人目の子どもを出産してから、日々の育児疲れもあって、私はほとんど性欲を感じなくなってしまいました。 ★関連記事:「夫が豹変…!」子育てで消えた夫婦生活 …
2児の母のイルカさんによる、舞台女優さんの体験談を描いたマンガ。先輩女優のマイからの嫌がらせで、カボチャ役を演じる新米女優のミサキ。セリフなしでも懸命に …
結婚して片田舎で夫の義両親と同居生活を始めてから25年余り。今や義両親は80代です。幸い、義父は高血圧対策の薬を飲んでいるものの、黙々と畑仕事に精を出し …
2児の母のイルカさんによる、舞台女優さんの体験談を描いたマンガ。新米女優のミサキは、先輩女優のマイからの嫌がらせでカボチャ役を演じることに。セリフのない …
2児の母でありヲタクであるエェコさんによる、お父さんが倒れたときの話を描いたマンガを紹介します。 エェコさんのお父さんは脳の病気で倒れ、リハビリ院に入院 …
孫を溺愛している義父と義母は、わが家に来るたびに「孫にプレゼント!」とおもちゃを持ってきたり、しょっちゅう宅配便を送ってきたりします。物をいただけること …
春に第1子を出産しました。帝王切開で入院が長引いた上、赤ちゃんも保育器に入っていたため、しばらくは家族以外のお見舞いをお断りしていました。退院して赤ちゃ …