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長年の便秘や下痢に悩んでいる40代、50代女性は多いもの。でも、そんなおなかのトラブルにまさかの「がん」が潜んでいるとしたら……? 便秘や下痢体質の女性が気を付けたいがんのこと、がんへの対処法について消化器内科・内視鏡内科医師の里村仁志先生に聞きました。
教えてくれたのは…
里村クリニック院長 里村仁志先生
消化器疾患が専門。2003年 獨協医科大学医学部卒業、2005年獨協医科大学第1外科、2016年さいたま赤十字病院外科を経て、現在に至る。
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「正しい排便習慣」が、予防策として治療ガイドラインに明記されているがんがある、と里村先生は言います。
「便秘や下痢が症状の一つとなるのは、大腸がんです。
女性がかかるがんのうち、大腸がんは乳がんに次いで2位と多くなっています。死亡原因では1位です。
大腸がんは良性のポリープががん化するものと、正常な粘膜から直接発生するものの2種類がありますが、約85%は良性のポリープから発生しています」(里村先生)。
女性がかかるがんで死亡原因1位と聞くと怖くなりますが、もっと怖いのは、大腸がんが初期ではほとんど痛みが感じられないということ。
「大腸の粘膜の表面には知覚神経がなく、痛みが感じにくくなっています。便が通るたび痛みや違和感があっては不快だからです。
そのため、ステージⅠまでは痛みがほとんどないことで放置してしまう人も少なくありません。また、大腸がんの主な症状は血便ですが、痔などと思い込んだり、気が付かなかったりして受診しない方もいらっしゃいます」(里村先生)。
しかし、大腸がんを必要以上に恐れる必要もないと里村先生は言います。
「大腸がんは数あるがんの中でも進行が遅いという特徴があります。ポリープががん化するのは1cm以上になった場合で、5mm以下ならがん化しにくいと言われています。
大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。しかも、早期なら負担の軽い内視鏡治療で済みます」(里村先生)。
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