
30代前半のころ下腹が急に痛みだし、立てなくなるほどの日がありました。盲腸になったのではないかと不安になり、近くの総合病院に受診し、超音波検査で調べてもらったところ、子宮に大きなしこりがあると言われ……。そんな私の体験談です。
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治療ではなく経過観察に
総合病院で子宮筋腫と診断され、婦人科へ受診を勧められました。婦人科では触診もあり、子宮内の状態と筋腫ができている場所や大きさがわかりました。ただし、筋腫が大きくならないための治療ではなく、「経過観察」。通院しながら、定期的に超音波で大きさの測定をするというものでした。
自分も病院も打つ手がないと判断し、婦人科専門の病院を変えてみることにしました。ある病院では女性特有の愁訴(自覚的訴え)に効果がある漢方薬を処方してくれ、人によっては筋腫の進行が抑えられるとのことでした。
私の場合、筋腫で引き起こされる月経不順などは漢方薬で緩和されることはありました。しかし、定期検診で筋腫は徐々に大きくなっていきました。
いつ手術をしてもおかしくない時期に
経過観察という受け身の状態を過ごしていると、民間療法のような情報に惑わされていきました。誰かがこれで筋腫が小さくなったという口コミがあれば、心が揺れて試してみようと思うことも。
体調不良を見直すことで筋腫にも影響が出るのではと考えた私は、ヨガや鍼灸(しんきゅう)を取り入れてみました。しかし、筋腫は大きさ的にいつ手術をしてもおかしくない時期に突入。私は、体に負担がない内視鏡手術ができる病院探しを始めました。
内視鏡手術ができる病院との出合い
手術はするものの、内視鏡で傷を小さくし入院日数を短くしたいと、その希望に合う病院を探すことに。これまで、近場の婦人科に受診しては、開腹手術がメインで内視鏡をするには筋腫が大きいと言われていたこともあり、無謀なことをしている不安もありました。
近場ではなく範囲を広げて情報を集め始め、有名な大きい病院で腹腔鏡手術をしてくれるところや、個人病院で腹腔鏡手術をしてくれる情報を見つけました。その中の個人病院は隣の県で、ホスピタリティ精神の高さも評判が高いことがわかり、ここにしようと決めました。
病院で筋腫の大きさを測ってもらったとき、「無理と言われるのでは」と不安でしたが、すんなりと手術は可能と診断していただいたときのうれしさは忘れられません。トントン拍子で手術日程と事前の準備が始まり、無事に腹腔鏡で筋腫核出手術(筋腫のみを取り除く手術)は終えたのでした。
まとめ
子宮筋腫の病気がわかってから、治療の手立てのない「経過観察」が始まるときに、自身の健康を見直すことができました。そして、やはり納得感を持って治療や手術ができるよう、信頼できる病院を探すことがポイントだと学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
文/かなえ