「寂しくなかったかな…」母を見送り芽生えた終活への意識。家族への思いやりと備え【体験談】
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50歳になるころから、人の名前が覚えられなかったり、物忘れが増えたりしていました。しかし、仕事と家事など毎日のルーティーンに問題はなく、「年齢のせいかなあ」と漠然と感じていただけであまり気にしていませんでした。
最近は何かを学ぶ意欲そのものがなかった私でしたが、あるとき、Eテレの語学講座を見ることで学びに対する意欲が復活。興味を持っていろいろな言語を学び出したら記憶力まで復活してきたという私の体験談をお話しします。

4月と10月に新しい内容でスタートするNHK、Eテレの「イタリア語講座」。45歳でイタリア旅行に行ったときに、現地の人ともっと会話ができたらなあと思ったのがきっかけで、毎年見るようになりました。ところが、講座の始まりはいつも簡単なあいさつからなので見ていて理解できるのですが、1カ月もすると難しくなってきて何がなんだかわからない状態に。そして、3カ月くらいたつと見なくなってしまうというのがお決まりのパターンでした。
2020年10月からは「旅するためのイタリア語」と題して、今までに放送した「旅するためのイタリア語」の映像を交えた講座が始まりました。そして、いつものように新しい講座が始まったからとりあえず見ておくかというような気軽な気持ちで見始めました。

イタリア語は水曜日の午前6時からの放送なのですが、たまたま火曜日の午前6時から「旅するためのスペイン語」を見る機会がありました。それまでスペイン語に特に興味はありませんでしたが、偶然見たスペイン語講座で、イタリア語とスペイン語が似ているということを発見。イタリア語のあいさつは「チャオ」、スペイン語は「オラ」。「ありがとう」はイタリア語で「グラッチェ」、スペイン語で「グラシアス」。「元気ですか?」 はイタリア語で「コメ スタイ?」、スペイン語で「コモ エスタ?」。とても似ています。気付いてみるとおもしろくなり、スペイン語にも興味が湧きました。
そして、なんだか外国語そのものに興味が出てきて、改めてEテレの語学講座について調べて見ると、毎日午前5時半から始まり、ドイツ語・ロシア語・アラビア語のほか、中国語・韓国語などもあることを知りました。年齢とともに早起きになっているし、この際だから日課として、見られるものは全部見てみようと決めました。

学んでみておもしろかったのはロシア語です。ほかのヨーロッパとまったく違う言葉だと思っていたのに、男性名詞と女性名詞があったり、フランス語と同じ発音の言葉があったりと共通点があり、不思議でした。
例えば、「これ」という言葉はフランス語で「エタージェ」、ロシア語で「エータ」。もしやローマ帝国の影響ではと漠然と想像して、何ごとも深く興味を持つことがなくなっていた私が珍しく調べてみました。ロシア語はスラブ語派、フランス語はロマンス諸語と違うグループのようですが、歴史的つながりがあるようです。また、まったくなじみがなかったアラビア語では、日本語の「あなた」という意味で「アンタ」と発音します。
なんだかおもしろくなってきました。こんなにいろいろな言葉を学んだのは久しぶりです。そこで初めて、学ぶ楽しさをすっかり忘れていた自分に気付いたのです。
ちょうど時を同じくして、職場のシステムが新しい様式に変わり、その講習がありました。同世代の同僚が四苦八苦するなか、私は1回聞いただけで内容を覚えることができ、スムーズに新システムに移行。語学講座で学び出す前より記憶力がUPしていると感じました。
最近は、人の名前もスムーズに覚えられるようになりました。本当に不思議です。10月に新講座が始まってからすでに3カ月。いつもならそろそろ見なくなる時期ですが、今回はまったく飽きずにEテレの語学講座を見続けています。遠い国への憧れが強かった私ですが、中国語や韓国語の講座を見てから、日本に近いアジアの国々へも行ってみたいと思うようになりました。また、世界史をもっと勉強したいとも思います。
まだ人生50年と少し、まだまだ学ぶ意欲が湧いてきそうです。このワクワク感と意欲を引き出してくれた語学講座に感謝。若いころなら仕事前に早起きして勉強しようなんて思わなかったでしょう。今が学びのときなのだと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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