「あなたたち、誰?」コロナ禍で失われたのは、かけがえのない大切なものだった【体験談】
私の祖母はコロナ禍の前から介護施設に入居しています。デイサービス用の階と、短期滞在用の階、長期滞在用の階、居住用の階に分かれている施設で、祖母がいるのは …
ウーマンカレンダー woman calendar
これは私の友人が、不正出血を放置して思いがけない病気につながった話です。友人は元々子宮内膜症を患っており生理痛がひどく、不正出血もしばしば起きていたそう。今年の夏、少し不正出血が長引いたときも「いつもの症状かな」と病院へ行かず「そのうち治まるでしょう」と放置してしまったそう。しかし、いつもとは違う症状が彼女を襲う事態になったのです……。
★関連記事:「ひどい痛みに出血が続く…」40代で突然、生理痛が復活。子宮内膜症の症状が悪化したと思ったら
私は三姉妹の母です。長女が幼稚園に通っているころ、幼稚園が終わってから長女は公園でお友だちとよく遊んでいました。ある日、いつものように子どもたちを遊ばせながらママ友と話していた最中「痛たたた……」と、ママ友の1人が急におなかを押さえ痛そうに腰を丸めたのです。とてもつらそうな姿に驚き「大丈夫?」と聞くと「急にごめんね、最近生理痛が重くて、痛くてね」と言う彼女の顔色は青く、本当につらそうでした。
聞けば子宮内膜症を患っているとのこと。本来は子宮内部にできるはずの子宮内膜組織が、異常な場所で作られてしまう病気で、彼女の場合は生理痛がとても重く、生理の期間はいつも陣痛並みに痛むそうです。そして「怖いから婦人科に定期的に行って、異常がないか診てもらってるけど、痛いものは痛くて」と話してくれました。
この日は公園遊びを切り上げて、少し早く解散する流れに。彼女は少し休めば大丈夫と言っていましたが、明らかに早く休んだほうがよさそうな顔色です。「また遊ぼうね~」と手を振り合う子どもたちと一緒に私は「お大事にね」と手を振りながら、内心とても心配でした。「いつものことだから心配しないで」と言いながら、彼女は青い顔のまま帰っていきました。
しばらくして幼稚園児たちは夏休みに。その友人も日中子どもを遊ばせたり、家業の手伝いをしたりと、忙しく過ごしていたと言っていました。そして夏休みの間中ずっと、生理ではない期間もだらだらと少量の不正出血が続いていたそうなのです。生理のように重い出血が続くのではなく、1日に1度、ほんの少しパンティライナーにシミができるくらいだったため、病院へ行くのをためらっていたそう。
子宮内膜症の影響での不正出血はこれまでも経験があり、そのときはしばらくしたら治まったため、今回も「そのうち治るでしょう」とあまり気にしていなかったそうです。何より夏休み中で子どもたちの昼食作り、遊び相手に片づけとすることが多く、とても自分が病院に行って診察してもらおうとは思えなかった、と言っていました。
しかし、夏休み残り2週間を過ぎたころ、彼女は急に腹部の激痛に襲われました。生理痛がいつも重いとはいえ、それより数倍ひどい痛みで、体勢を変えても温めても鎮痛薬を飲んでも痛みが治まらなかったそう。冷や汗が額に浮かび、息をする間も痛くてたまらなかった彼女は「もしかして盲腸?」と考え、自分で救急車を呼びました。
救急車で病院へ運ばれた友人。問診を受け、夏休みの間の不正出血や子宮内膜症の持病について伝え、超音波検査を受けました。すると判明した病気は彼女が予想していた盲腸ではありませんでした。なんと、卵巣内にできたチョコレート嚢胞(のうほう)が破裂していた、とわかったのです。チョコレート嚢胞とは子宮内膜症が卵巣内にでき、古くなった血液が固まって変色したできものを指すそうです。
友人は緊急で手術を受け、このチョコレート嚢胞を摘出しました。子宮内膜症がまさか、緊急手術が必要な病気につながるなんて考えたこともなかったと彼女は後で振り返っていました。生理痛が重くなったり不妊になりやすかったりと、子宮内膜症にかかっていてもいくつかの症状を知っているだけだった自分を恥じたそうです。無事に手術は終了し、経過を見ながら1週間入院して、夏休みが終わる前に退院できました。
「普段なら不調があればすぐ病院へ行くのに、夏休み中だからとか、以前同じ症状があったときはすぐ治ったからと言い訳しながら1カ月も放置してしまったことが今回の手術につながったのかも」と友人は言っていました。
突然の入院に家族も驚いたらしいのですが、両親や夫が休みを取って子どもの世話や入院の荷物のやりとりを担当してくれたおかげで、夏休み中の入院をなんとか乗り切れたとのこと。友人の2人の子どもたちも初めは泣いていたけど、お医者さんに治してもらえると話すときちんと聞き分けて我慢してくれたようです。夏の旅行も急に日程変更したそうですが、大事に至らなくて本当によかったと話していました。
普段なら見逃さない症状でも「このくらいならよくあるし」と自分に言い聞かせて放置してしまったため、友人は緊急手術を受ける羽目に。病院は混んでいるし、子どもたちを預けてまで……と行かない理由を思いついても、この手術以降、彼女は異変があったらきちんと病院へ行くようにしていると話していました。
また、元々患っていた子宮内膜症について、何に気を付けるべきか、どのような病変があるのかなど、自分の病気についての知識が足らなかったかもとも。以前にあった症状でも同じようなものと決めつけず、症状のあるときはきちんと受診するのが大切なんだと教えてくれた体験談でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
イラスト/sawawa
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
私は10年前に再婚し、連れ子を自分の娘として養ってきました。思春期真っただ中での再婚とあり、荒れていた継娘もついに結婚することに。思えば彼女が進学せず高卒で就職する際など、私はいつ...
続きを読む私は20代前半で株を始めた投資家です。努力のかいもあり、投資からの収入は潤沢ですが、常に倹約を意識しています。このたび、2年付き合った交際相手と無事婚約にいたり、彼女の両親にあいさ...
続きを読む59歳アラカンのミキ子さんが職場で出会った、気になる25歳年下の男性と過ごす日々を描いたマンガ。 清掃パートをしている介護施設で出会った25歳年下のイケメン佐藤くんに、家を借りるま...
続きを読む私は、夫に先立たれてから女手一つでひとり息子を育ててきた会社員。大学を出て数年後、立派な社会人になった息子に婚約者を紹介され、心からホッとしています。お相手は、大会社の社長令嬢。と...
続きを読む私は35歳の兼業主婦。幼い娘と夫、足の不自由な義母と4人で暮らしています。育児・家事・介護に加えて新しく始めた事務所のパート勤務で多忙を極めつつ、大切な家族のため頑張っていたのです...
続きを読む私の祖母はコロナ禍の前から介護施設に入居しています。デイサービス用の階と、短期滞在用の階、長期滞在用の階、居住用の階に分かれている施設で、祖母がいるのは …
50代になった私が悩まされるようになったのは、口の中の渇き。喉が渇くのではなく、口が渇くのです。口の中のトラブルというと、これまでイメージするのは口内炎 …
59歳アラカンのミキ子さんが職場で出会った、気になる25歳年下の男性と過ごす日々を描いたマンガ。 清掃パートをしている介護施設で出会った25歳年下のイケ …
友だちと会うときやデートのときなど、私は人と会うためにメイクをするタイプでした。でも子どもを産んでからというもの、友だちと会う機会は減り、出かける先とい …
ある日、テレビの健康番組を何げなく見ていた私。とある病気について紹介されており、「この症状、私が感じている症状とまったく同じだ!」と自分に当てはまるもの …
国立がん研究センターの近年の統計では「2人に1人はがん」と診断されることもあるようです。しかし、私は「自分はがんになるはずはない」と思っていました。体に …
私は女子校時代からの親友と、女2人で小さな会社を共同経営しています。それは海洋深層水を使った高糖度のトマトを扱う農園。うまみが詰まったフルーツみたいなト …
59歳アラカンのミキ子さんが職場で出会った、気になる25歳年下の男性と過ごす日々を描いたマンガ。 清掃パートをしている介護施設で出会った25歳年下のイケ …