手術した場所に「え?」耳の裏にできた小さなできものの除去手術で起きた予期せぬ事態とは
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私は若いころから40代になった今まで変わらず温泉が好きで、あちこちの温泉に足を運びました。温泉は泉質によってさまざまな効能がありますが、美肌効果があるとされる温泉へ入ったときのこと。入浴した翌日に肌トラブルが起きてしまったのです。私にとっては自分が年齢を重ねたことを実感する出来事でした。
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私が40歳ごろのこと。入浴の翌日に肌がすべすべになるので何度もリピートしていた温泉に行ったのですが、そのときは「えっ」と声が出てしまうくらい驚きました。入浴した翌日、すべすべどころか赤く小さな発疹が手足にたくさん出ていたのです。
私には食べ物のアレルギーはなく、そのときは発疹の原因が何なのかまったく思いつきませんでした。私の場合、発疹は手足だけで痛みやかゆみはなかったものの、当時、幼い子どもの育児中。もし子どもに感染するものだったらと思うと原因がわからないことが不安で、すぐに皮膚科を受診しました。
皮膚科医は発疹を診て最初はいぶかしんでいましたが、前日に発疹はなく温泉に入ったことを話すと大きくうなずいて「湯かぶれでしょう」とのこと。湯かぶれとは、皮膚が弱いと起こる入浴後の皮膚の炎症や発疹のことだそうで、私の場合は加齢や乾燥によって皮膚が弱くなっていたのだろうと言っていました。
私は若いころから温泉巡りをしていますが、それまでこれといった肌トラブルはなく、自分の肌が弱いと感じたこともなかったため、湯かぶれという言葉は初耳。発疹が出た温泉にも過去に何度も入っていましたが、このときが初めての湯かぶれでした。
いつもなら肌をすべすべにしてくれる温泉に入ったら発疹が出るなんて、それほど自分の肌が弱っていたとは思いも寄りませんでした。どんな泉質の温泉に入っても肌トラブルが何も起きなかった若いころの自分と比較して、40歳の私は年齢を重ねたことをまざまざと実感してショックでした。
皮膚科医によると、加齢によって皮膚のバリアー機能が低下して乾燥が進むと肌が弱くなるそうで、入浴後や洗顔後はできるだけ早く保湿するようにと言っていました。
今思えば、そのころの私は、子ども中心の生活で自分のことは何でも後回し。顔のスキンケアについても最低限のケアはしていたとは思いますが、それも子どものスキンケアや身支度などをすべて終えてから。また、体の保湿はしていないこともあったので、自分が思うよりも皮膚の乾燥が進んでいたのかもしれません。加齢で肌が衰えていた上にケアを怠ったことが重なって肌が弱くなり、湯かぶれにつながってしまったように思います。
入浴の翌日発疹が出た温泉には子どもも一緒に入っていましたが、子どもにはしっかりあがり湯をかけて保湿もしていたこともあって子どもの肌トラブルは起きませんでした。
私が湯かぶれという皮膚科医からの指摘に納得した理由が2つあります。
1つ目に、発疹は出てもかゆみや痛みはなく、皮膚科で処方された保湿剤を塗ったところ1週間もたたずに治り、再発もなかったこと。
2つ目に、温泉の入り方や注意書きに、あがり湯をかけることで肌トラブルの予防ができると書いてあったのを思い出したからです。
温泉の中には皮膚に刺激の強い泉質もあり、もしかしたら「湯かぶれ」と書いてあったのかもしれませんが、普段肌トラブルなくあまり気に留めていなかったため忘れていました。このことだったのか、あがり湯が不十分だったのかと納得したのです。
実は、何も肌トラブルが起きなかった若いころは、なんだかもったいない気がしてあがり湯をかけないことがありました。泉質や注意書きによっては、あがり湯をかけなくても大丈夫な温泉もあったのでなおのこと気に留めていなかったのですが、発疹が出た以上、もう若いころと同じではないのだなと思いました。
美肌の湯と言っても、温泉の泉質によって効果はさまざま。あがり湯が十分ではなく、肌の乾燥が進んでいた私の肌には、入ったことがある温泉でも泉質の刺激が強かったようでした。
私にとっては癒やしになる温泉で加齢を感じるなんて悲しい出来事でしたが、原因がわかれば対策はできるので、現在の私には良い経験になりました。
温泉に入るときは水分補給や適度な入浴時間で乾燥し過ぎないように気を付け、あがり湯を十分におこない丁寧に保湿をすることで今では肌トラブルなく温泉を楽しむことができています。これからも肌のケアには十分気を付けながら、いろいろな温泉を楽しみたいです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)
獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開院。2024年に新鎌ケ谷くぼた皮膚科泌尿器科を開院、日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門は泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouTuberとしての情報発信もおこなっている。著書に『EDかも!?と思ったら読む本』(自由国民社)がある。
イラスト/もふたむ
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