「もう時短はいいかな」50歳目前に起こった驚きの変化。時短から丁寧志向に目覚めるまで
今まで何をするのも手早さが自慢だった私。例えば料理はいかに早くおいしく仕上げるか、掃除はいかに早く終わらせるか、常に時短を意識することがとても楽しみでし …
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45歳を過ぎてからは、特に生理前から生理期間中の10日から2週間ほど、頭痛や吐き気を伴って、朝からまったくやる気が出ないという状態に陥りました。何も手に付かず、気力を振り絞って家事をしても疲れ果ててしまいます。仕事をこなすのが精いっぱいで家事がたまり、部屋は荒れ、自分はダメな人間だと責める……。完全に悪循環です。なんとか心だけでも持ち直したいと思っていたとき、心の掃除方法としてあるものを見つけました。
若いころから生理前や生理期間中は気分が落ち込んだりイライラしたりと精神的に不安定で、とにかく眠くなりがちでした。45歳を過ぎてからはさらに、朝目覚めるときに吐き気と軽い頭痛を感じるようになり、日中も片頭痛が起こるように。
まったくやる気が起きないのに、気力を振り絞って仕事や家事をすると疲労困憊(こんぱい)してしまいます。子どもの弁当を作り、送り出してから頭痛薬を飲んで横になったり、在宅ワークの合間に30分だけ横になったりして、ひたすら眠っていました。片付けも掃除もできないので部屋はどんどん荒れていき、夕食を作る気力もないので外食やテイクアウトが増え、冷蔵庫の食材がどんどん腐っていきます。
生理終了後の1週間は気力が蘇るので、その期間に冷蔵庫の整理をするのですが、消費期限切れでパックに入ったままの食材を捨てるとき、「自分はダメな人間だ」と自己嫌悪……。そんなことを生理のたびに繰り返していたら、47歳の今では生理前から生理期間以外でもまったく何もやる気が起きない日が増えました。そして、できない自分を責めて毎日自己否定をしていたら、しまいには生きていることがつらくなってきてしまいました。
ふとしたときに「私なんて死ねばいいのに」とぽろっと口から出た言葉に、このままではいけないと思いました。そして体調不良は自分ではコントロールできないにしても、心の持ちようはセルフコントロールできるはずと思い至りました。まずはできない自分を責めず、できたことを認める方向で自分をいたわり自分にやさしくしようと考えました。
そんなとき、5人で励まし合いながら新しい習慣作りを目指すというスマホアプリの「みんちゃれ」で、「モーニングページ」のチームがメンバーを募集しているのを見たのです。「意識の流れをありのままにつづった脳の排水」というキャッチフレーズに惹かれた私は、チームに入ってみることにしました。
モーニングページとは、チームのオーナーの説明によるとジュリア・キャメロンさんの著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい』で提案している創造性を回復するためのワークなのだそうです。毎朝寝起きにノート3ページ分、思い付いたことを書くのですが、書く内容が倫理的な意識に支配されないように寝起きにします。それだけで人生が変わるくらいマインドや行動に変化をもたらすとのことでした。
モーニングページを書くのに、私は最初30分かかりました。朝は子どもの弁当も作らないといけないし、朝食の準備もあるし、洗濯もしたいし、夜よりも頭も体もまだましに動く朝のうちにいろいろ家事を済ませたいのに、ページがなかなか埋まりません。起きてすぐなので、頭もぼんやりしているし、何を書いたら良いのかさっぱり浮かびませんでした。
そこで、そんなときは「何を書けば良いのか全然浮かばない。ページも埋まらない。困った」など、そのままの気持ちを書くようにしました。書き終わると3ページ書いた達成感も相まってなんだか心がスッキリ。「しばらく続けてみよう」と思い、モーニングページを書くために毎朝30分早起きして、みんちゃれのチームに書き終えたノートの表紙を投稿しました。メンバーからの「いいね! 」スタンプに励まされて、モーニングページを書くことが徐々に習慣化。そして14日も過ぎると、自分の考えが浮かんでくるようになり、モヤモヤしていた心も頭もスッキリと整理されてきたように感じました。
モーニングページを始めて1カ月たった今は、20分で書けるようになりました。書くことに困っていたのが、昨日の嫌なできごとに関しての今の気持ちだったり、仕事に関してのモヤモヤだったり、心の状態をノートに素直に書けるようになってきました。誰に見せるものでもないので、汚い言葉も、ふと浮かんだTODOも、アイデアも、全部書きます。
思いつくままにひたすら書くことで、頭と心が朝からスッキリし、「よし、やろう! 」と気力が湧くのを感じています。気が付くと、「私なんて」という言葉を口にする頻度が少なくなっていました。モーニングページを続けることで、これからも自分の頭と心を整えていきたいです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
イラスト/サトウユカ
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