- 2025.10.17
- スカッと体験談,
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私はメロン農家のオーナーをしています。私たちの目標は、1つずつ手間暇をかけて育てたメロンをたくさんの人に知ってもらい、食べてもらうこと。今日は共同経営者の夫と、以前からの取引先である大手スイーツ店にとれたてのメロンを届けに来たときのお話です。
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懇意にしてくれていたスイーツ店の奥から現れたのは、ふてぶてしい態度の男性でした。「オヤジは体調を崩して引退した。息子の俺がこの店を継いだわけだが、あんたらは何の用ですか?」
私たちは先代の様子を尋ねつつ、来店の理由を説明。「先代よりご依頼いただいていたメロンを届けにまいりました。いつもありがとうございます」
そして、納品書を手渡すと、二代目社長は一瞬で不機嫌な顔に。「これ、高すぎるよな? ぼったくりじゃねぇかよ」と眉をひそめたのです。
「いえ、いつもこの値段でお取り引きいただいているのですが……」と説明しても、聞く耳持たず。「今どき海外産ならこの半額でも買えるぞ。もっと安くしろよ!」
私たちは、コストと手間暇を算出したギリギリの価格であることを伝えたのですが、一向にらちが明きません。
「もういい、オヤジはどうだったか知らんが、俺はもっと安いメロンを探すから、さっさと持って帰れ。取引終了だ」と、メロンともども追い返されてしまったのです。
その後、何とこの新社長がうちの農家に嫌がらせをスタート。他の取引先にも「メロンはまずいくせに高い」などと根も葉もないウワサを流し、営業を妨害してきたのです。
しかし、せっかく作った大切なメロンを売り残して無駄にするわけにもいきません。私たちは、ひと口でも味見をしてもらえれば価値がわかるはず、と新たな取引先を見つけるため、メロンをトラックに積んであちこち回ることにしました。
そんなある日、たまたま公園を通りかかると、一組の親子がベンチに座っているのが目に入りました。何だか困っている様子を放っておけず、近づいてみると、ボロボロの服を着てとても痩せて見えたのです。「あの、大丈夫ですか?」とおそるおそる声をかけると……。「実は、お金がなくて、ずっとろくに食べていなくて……」
私はトラックからメロンを出し、果物ナイフで切り分けてその親子に渡しました。「どうぞ。このメロンは甘くて最高の出来なんです。でも食べてくれる人が見つからなくて……。よかったらどうぞ」
すると、男の子が手を伸ばして頬張りました。「ありがとう! このメロン、甘くておいしいよ! ママも食べてみて」「まあ、本当。こんなにおいしいメロンを食べたのは初めてよ」
親子は涙を浮かべながらメロンを食べてくれました。それは私たちにとって本当にうれしい光景。「あの、よかったらたくさんお持ちください」と、残りのメロンも手渡したのでした。
それからしばらくが過ぎました。私たちは地道な飛び込み営業を続けていましたが、風の便りに、あの新社長のスイーツ店がガラガラになっていると聞いたのです。というのも、新社長が仕入れた安いメロンを使ったスイーツが原因のよう。全然売れないどころか、お客さまから「味が落ちた」「品質が悪い」とクレームが止まらないという話です。
そんなときにSNSで、とあるスイーツが大はやり。「甘くてジューシーなメロンがたっぷり入った絶品タルト!」という高評価口コミが並んでいます。投稿された写真に写っているケーキ屋さんのオーナーは、あのとき公園にいたお母さん。実は、数カ月前の偶然の出会いから生まれた新たなスイーツが人気を呼んでいたのです。
あのころ、このママさんオーナーは、何の因果か例の性悪新社長から勝手にライバル視された上、圧力をかけられて経営不振に陥り、食べ物にも困る状態になってしまったのだとか。私たちのメロンの味に感動し、再起を図ろうと新たなメロンタルトを開発できたというわけです。
その後、新社長のスイーツ店はというと、病気を押して復帰した初代社長が息子を解雇し、あちこちに平謝り。ゼロからやり直すため、お店を畳んで別の町へと引っ越していきました。
一方私たちのメロンと、ママさんオーナーの絶品メロンタルトはさらに人気に。新たなスイーツも試作中です。
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品質よりも安さを取った二代目社長は、仕入れ業者を突然切っただけでなく、他店の営業を妨害までしていたとは残念ですね。しかし、結果的に大人気のメロンタルトが誕生する展開になって、本当においしいものを世に届けたいという作り手の思いが実り、農家もお店も繁盛してよかったですね。
【取材時期:2024年8月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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