「一歩も外に出たくない…!」ひきこもりを決め込むも…現実はそう甘くない!? #五十路日和 124
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多くの女性が抱えている肩凝りの悩み。もはや慢性化していてどうしたらいいかわからない人もいるかもしれません。でも、そのまま放っておくのは危険かも……。思わぬ病気が潜んでいる可能性もあります。肩凝りで病院を受診する目安はあるのでしょうか? 整形外科医の中村光伸先生に聞きました。
監修/中村光伸先生(光伸メディカルクリニック院長)
整形外科医の知見から骨の仕組み、体の動かし方を活かした骨のトレーニングを提唱する骨の専門医。骨の強化と全身の機能回復を両立する「骨たたき」を考案。若々しい体を取り戻す「リバースエイジング」の専門家としてメディアにも多数出演。著書に『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』『ひざたたき 世界一かんたんな健康法』(アスコム)。
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肩凝りとは、筋肉がこわばることで肩から背中にかけて感じる不快な症状の状態のこと。そもそも人の体は、約5kgある頭を首で支え、さらに2本の腕も首から肩にかかっており、普通に生活しているだけでも肩周りの筋肉には常に大きな負担がかかっています。さらに、同じ姿勢でのデスクワーク、長時間のスマホ、ストレスによる緊張、運動不足、冷えなど、さまざまな要因で肩凝りが起こります。
「肩凝りは更年期症状の1つでもあり、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌の低下による自律神経の乱れがその症状を強めることがあります。加齢によって首や肩、腰部や関節を支える筋力が低下することも1つの要因です」(中村先生)
肩凝りの症状は、首すじ、首の付け根から肩または背中にかけて張った、凝った、痛いなどの感じがし、頭痛や吐き気を伴うことも。
「肩凝りに関係する筋肉はさまざまですが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心となります。
肩凝りの場合は肩関節の運動には支障はありません。もし肩が上がらない、服を着替える動作ができないなどの場合は単なる肩凝りではなく、四十肩、五十肩などの可能性があります」(中村先生)
肩凝りの症状がある場合、まずは整形外科を受診しましょう。肩や背中などの骨や筋肉に異常がないかをエックス線検査で確認し、必要によりMRIやCT、血液検査などもおこなってくれます。「治療が必要な病気が隠れていないか」の診断が受けられます。
「肩の痛みが強ければ、ぜひ受診を。ただの肩凝りだと思っていても、もしかすると糖尿病性の関節症や甲状腺機能低下症、頚椎症など、ほかの病気の可能性もあります。
吐き気、手足のしびれ、頭痛やめまいなどが伴う場合や、息切れがしやすくなった、胸が締め付けられるなど、肩凝り以外の症状がある場合はすぐに受診してください」(中村先生)
肩凝りが原因で頭痛が起こることは少なくないですが、脳に問題がある可能性があることも。めまいが起こる場合は、自律神経失調症の可能性もあるそう。頭痛など肩凝り以外の症状がある場合は、何科を受診すればよいのでしょうか?
「一番つらい症状に合う病院を受診しましょう。例えば、肩凝りが一番つらいなら整形外科を、肩凝りもあるが頭痛が一番つらいなら脳神経外科を、肩凝りもあるが更年期のほかの症状のほうが強ければ婦人科や内科を受診するのがよいでしょう」(中村先生)
また、肩凝りや頭痛の症状がある人で、眼鏡が合わない、歯のかみ合わせが悪いなど、自分で『これが原因かも』と思い当たる節ある場合は、まずは眼科や歯科などを受診してみましょう。
肩凝り予防のためには、普段の生活の中で改善できることをおこなっていくことが大切です。
<肩凝りの予防法・対処法>
・姿勢(巻き肩、猫背など)を改善する
・同じ姿勢を長く続けない
・良質な睡眠を取る
・肩を温めて筋肉の血行をよくし、疲労を取る
・適度な運動やストレッチ、体操をする
・入浴し、体を温める
・冷えを防ぐ(冷房対策、栄養バランスの取れた食生活)
・眼精疲労にも気を付け、目を休める
「パソコンやスマホの影響で肩が前に来ている方がとても多いです。しっかりと肩甲骨を寄せて胸を開き、耳の真下に肩が来る状態を維持するようにしましょう。
また肩凝りの予防・改善のためには、良い睡眠を取ることがとても重要です。人間は寝ている間に日中の活動で壊れた筋膜などを修復します。睡眠が短い、質が悪いと、壊れた部分を修復できないまま、蓄積していくのです」(中村先生)
肩凝り緩和のためにマッサージに通う方もいますが、有効なのでしょうか。
「マッサージをおこなうと血行がよくなるので、肩凝りの症状が緩和することがあります。ただ、強く押し過ぎると筋肉の繊維が壊れてしまうことも。もみ返しがあるほど強いマッサージはおすすめできません」(中村先生)
「ただの肩凝りだから…」と侮らず、痛みがあってつらいときは受診することが大切です。「もう何年も肩凝りが続いていて、もはや受診するタイミングがわからない……」という方も、この記事を機会に一度受診してみてはいかがでしょうか。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
取材・文/相田佐知(44歳)
ライター・編集者。鉄ヲタ男子2人の母。趣味は旅行(鉄道旅多め)、キャンプ。夢は「成田空港で行先を決めて旅行する」こと。
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