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仕事に出かける、買い物に行く、食事をする、余暇を楽しむなど、私たちは普段、当たり前のように自由に体を動かしています。しかし、ひとたび骨折をしてしまうと、そうした自由がままならなくなってしまいます。『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』の著者であり、骨の専門医でもある中村光伸先生に骨を丈夫にするコツについてお聞きしました。
教えてくれたのは…
監修/中村光伸先生(光伸メディカルクリニック院長)
整形外科医の知見から骨の仕組み、体の動かし方を活かした骨のトレーニングを提唱する骨の専門医。骨の強化と全身の機能回復を両立する「骨たたき」を考案。若々しい体を取り戻す「リバースエイジング」の専門家としてメディアにも多数出演。著書に『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』『ひざたたき 世界一かんたんな健康法』(アスコム)。
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――骨の老化を抑えて強い骨を作ることは可能なのでしょうか?
中村先生 もちろんです。加齢とともに骨を作る力が衰えるのは事実ですが、骨は日々、新しいものに生まれ変わっていますから。きちんと対策をすれば骨を強化することができるんです。
――どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
中村先生 私たちの体は食べたものからできています。骨も例外ではなく、偏食やバランスの悪い食事、不規則な食生活は骨に悪影響を及ぼします。1日3食、朝・昼・晩と規則正しく、バランスの良い食事をとることが基本です。その上で意識したいのが、丈夫な骨を作るための栄養素です。
――カルシウムをとることが大切、ということでしょうか?
中村先生 骨の主成分であるカルシウムは、骨づくりにおいて重要な栄養素です。しかし、カルシウムだけを摂取していれば丈夫な骨を作れるというわけではないんですね。栄養素は互いに補い合って作用するものなので、相互効果が期待できる栄養素を一緒にとることが重要です。
――どんな栄養素をとれば良いのでしょうか?
中村先生 骨を作るためにはさまざまな栄養素が必要ですが、これまでの診療経験からいえるのは、たんぱく質が足りない人が非常に多いということです。たんぱく質の摂取量が少ないと、骨の土台を作ることができなくなってしまうんです。
――たんぱく質はどれくらいの量をとるべきなのでしょうか?
中村先生 成人女性は1日に約50gのたんぱく質が必要です。高たんぱく質の食品として知られているのは卵、大豆・大豆製品、肉、魚介類、乳・乳製品ですが、例えば、卵1個には約6g、鶏むね肉100gには約21gのたんぱく質が含まれています。
また、たんぱく質はご飯やパスタなどの穀物や野菜、果物などにも含まれています。たんぱく質をしっかりと摂取するには、3食で幅広い食品をバランスよく食べることが大切です。
――たんぱく質不足をプロテインで補っても大丈夫でしょうか?
中村先生 たんぱく質に限らず栄養素は食事で摂取するのが基本です。ただ、たんぱく質は食事でとり切れない方が多い栄養素でもありますから、不足分をプロテインで補うのは問題ありません。プロテインをとるときには、体内で生成できない「必須アミノ酸」が含まれるものを選ぶようにしてください。
実はカルシウムというのは、牛乳をコップ1杯飲んだり、ヨーグルトを食べたりすることで必要な量を補うことができるんです。しかし、たんぱく質はとっているつもりでも足りていない、というケースが多いんですね。ですから、朝・昼・晩の食事で毎食とっていくことが大切なんです。
――栄養素のほかにも骨づくりに必要ことはあるのでしょうか?
中村先生 日光浴ですね。私たちの体は紫外線を浴びることで、体内でビタミンDが生成されます。摂取したカルシウムをしっかりと吸収するにはビタミンDが必要なのですが、足りない人が圧倒的に多いんです。実際、私のクリニックに来院される患者さんの中には、処方したビタミンD剤を飲んでいるのにもかかわらず、正常値に届かない人が少なくないんです。
近年は美白ブームなどで紫外線や太陽が敵視されています。しかし考えてみれば、地球上のすべてのものは太陽とともに進化してきたわけですから、太陽が敵であるはずがないんですね。丈夫な骨をつくるためには、毎日、日光浴をして太陽の光を浴びることも必要なんです。
――日光浴はどれくらいの時間をすれば効果が出るのでしょうか?
中村先生 1日15分程度で効果があります。もちろん、海水浴のように水着になる必要はなく、手の甲や顔など部分的に太陽を浴びるだけで十分です。
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