閉経しても更年期症状は続く?一気に老け込む?閉経後も美しく健康でいる方法とは【医師解説】
閉経して生理がなくなれば、更年期症状も治まるのでしょうか? 更年期症状は治まっても、閉経すると一気に老け込んでしまうのでしょうか? 気になる閉経後の体の …
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数年前に未知の病として恐れられていた新型コロナウイルス感染症も、今は一般的な病気になりつつあります。新型コロナウイルス感染症は後遺症があることが知られていますが、実は更年期に起こる体調不良の症状とよく似ています。そこで、それぞれどんな症状があるのか、見分けることはできるのか、改善策はあるのか、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
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まず、コロナ後遺症にはどんな症状が出るとされているのでしょうか。
「現在まで、コロナ後遺症として厚生労働省が報告しているのが
疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸の痛み、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下
などです。
コロナ後遺症については、今も世界的に調査研究が進められている段階であり、まだ不明な点が多いのが現状です」(駒形先生)
一方の更年期症状には、どんなものがあるのでしょうか。
「更年期症状は多岐にわたります。
大きく3つ『血管運動症状』『精神的症状』『身体的症状』に分けられます。
まず『血管運動症状』には、
のぼせ、顔のほてり(ホットフラッシュ)、動悸、息苦しさ、疲労感、頭痛、肩凝り、めまいなどがあります。
次に『精神的症状』には気分の落ち込み、倦怠感、イライラ、意欲の低下、不眠、食欲低下などがあります。
そして『身体的症状』には腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、かゆみ、頻尿などがあります」(駒形先生)
コロナ後遺症と更年期症状を比較してみると、
動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛
といった症状が共通しているようです。あなたの一番つらい症状は、これらに含まれるでしょうか?
コロナ後遺症と更年期症状には共通する症状がありますが、見分けはつくものなのでしょうか。
「残念ながら、すぐに見分けるのは難しいです。ただ、厚生労働省の報告によれば、コロナ後遺症は時間経過とともに症状が改善することが多い、とされています。
一方の更年期症状は閉経を挟んだ前後5年、10年ほど続くのが一般的ですので、なかなか改善されない場合は更年期症状の可能性があります。
ただしその場合も、更年期症状以外の疾患による症状の可能性もあります。気になる症状が続く場合は婦人科を受診しましょう。
医療機関では、コロナ後遺症か更年期症状か診断がつかなくても、各症状に応じた対症療法がおこなわれるので、問題はないと考えます」(駒形先生)
コロナ後遺症も更年期症状もあまりはっきりしない症状が多いようです。自分でできる改善策はあるのでしょうか。
「コロナ後遺症と更年期症状の共通症状である、
動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛などは、漢方学の基本概念のうち「気」「血」「水」の「気」と「血」が不足している状態にあります。
女性は生理があるので、コロナ後遺症や更年期症状とは関係なく基本的に「血」が滞る「お血(おけつ)」の状態です。閉経をしても上半身と下半身の血流バランスは乱れたままなので、「お血」の改善には有酸素運動と筋トレが効果的です。
筋トレというとつらいイメージがあるかもしれませんが、まずは普段動かしていない筋肉を気が付いたときに動かすようにするだけでも全然違います。
例えば、パソコン仕事をしている人は脚を使わないので休憩時間に足踏みするとか、肩を動かしていないなら回してみるとか。できることから始めれば良いと思います。
そして「気」は酸素が足りない「気虚」の状態なので、深呼吸が有効です。
深呼吸をするとき大切なのは、横隔膜をしっかり動かしているかどうか。
ポイントは以下の通りです。
横隔膜を動かすことで自律神経を刺激し、バランスを整える効果もあります。横隔膜には自律神経が密集しています。心臓や腸とは違い、自分でコントロールできる唯一の臓器なのです。
まずは1日に数回、全力で呼吸する時間を取ってみましょう。最初は1日1回でも良いと思います」(駒形先生)
体調が悪いと原因を知りたくなりますが、コロナ後遺症についてはまだわからないことが多いということ。これから明らかになるでしょうが、まず私たちができるのは不調をいかに改善できるかということでしょう。体をできるだけ動かすこと、意識的に深呼吸をおこなうことなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
取材・文/岩崎みどり(51歳)
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
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