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更年期は、閉経を境に前後5年、10年間を指します。急激な女性ホルモンの低下や不安定な女性ホルモンの分泌から来る更年期症状、その症状が日常生活に支障を来すようになった更年期障害についての体験談を紹介します。
「性交痛がある」「違和感がある」「腟がゆるくなった気がする」など、40代、50代と年を重ねるにつれて増えるのが腟をはじめとするデリケートゾーンの悩み。他人に相談しにくい内容であることから、ひとりで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は女性器若返り認定医でもあるアンチエイジング専門医の黒田愛美先生に腟の悩みへのアプローチ方法について聞きました。
教えてくれたのは…
監修/黒田あいみ先生(Zetith Beauty Clinic 医師/東京美容外科沖縄院院長)
美容外科、美容皮膚科、予防医学(栄養療法)、アンチエイジング専門医。Zetith Beauty Clinic 、東京美容外科沖縄院にて勤務。トライアスロン日本代表の経歴を持ち、⾃分がアスリートであることも⽣かしつつ、美と健康のスペシャリストとして「中からと外からの美と健康」を信念に、外から(美容医療)だけでなく、中から(分子栄養学、予防医学)の美と健康の権威として多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。著書に、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された「アスリート医師が教える最強のアンチエイジング」(文藝春秋社)がある。
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40代、50代女性の多くが腟をはじめとするデリケートゾーンに悩みを抱えているようです。
「年齢とともに肌やボディラインにたるみが出るのと同様に、何もしなければデリケートゾーンもたるんで老化していきます。そして40代、50代女性はいわゆる更年期世代です。女性ホルモンの分泌が低下することで体の組織の潤いがなくなり、弾力が低下する時期でもあります。
腟のゆるみを感じる、性交痛がある、といった場合は萎縮性腟炎(いしゅくせいちつえん)である可能性が高いです。萎縮性腟炎とは、女性ホルモンの分泌が低下することで腟が乾燥、萎縮して腟壁が薄くなる症状です。軽症から重症まで個人差が大きいですが、閉経後の女性の約半数が悩んでいるといわれています」(黒田先生)
ほかにも原因はありますか。
「腟のゆるみについては、骨盤底筋群の衰えも原因のひとつです。骨盤底筋群とは尿道、腟、肛門の周りを取り囲む、骨盤の底にある筋肉の集まりです。加齢や運動不足、そして女性ホルモンの分泌低下も重なって更年期は筋力が衰えやすい時期であるため、骨盤底筋群の機能も落ちやすくなります。
また、骨盤底筋群が衰えると腟だけでなく尿道もゆるみやすくなるため、尿漏れも起こしやすくなります」(黒田先生)
腟も何もしなければ老化していくのですね。自分でケアはできないのでしょうか。
「婦人科では骨盤底筋群体操や腟トレーニングを推奨したり、性交痛対策として潤滑ゼリーや腟剤などを処方したりしています。ただ、体操は毎日コツコツと続けることが必要です。結果が見えづらいため患者さんが継続することがなかなか難しい、という話はよく聞きます。
そこで、婦人科に相談するまでではないかも、という場合は経腟美容液を使ってケアするのも一法です。
経腟美容液とは腟に美容成分を直接塗布し、吸収させることで腟内環境を改善するというプロダクトです。タンポンのような形状で、使い方もタンポンのように腟に挿入して美容液を塗布します。
腟は腕の内側の皮膚と比べて約42倍の経皮吸収率といわれています。粘膜なので、皮膚よりもダイレクトに作用するんですね。
私もヒト幹細胞培養液を配合した経腟美容液を使ったことがあります。現在はネット通販だけでなくドラッグストアでも手に入るようですが、デリケートな部位に使うコスメです。安全性に十分配慮した製品を選ぶことが大切です」(黒田先生)
美容医療では腟の悩みに対してどんな治療法があるのでしょうか。
「レーザーを照射して腟壁を引き締める治療がおこなわれています。マシンによって効果・通院数・費用などは異なります。大きくは炭酸ガス、超音波、高周波という3つのレーザー治療があります。
いずれも、マシンを腟内に挿入して腟粘膜にレーザーを照射します。それにより線維芽細胞(細胞を作り、皮膚の機能を保つ上で最も重要な細胞)が活性化され、新たなコラーゲン生成を促進させることができるのです。
3つの違いは深度と作用機序にあります。表面の浅めの層に作用するのがフラクショナル炭酸ガス、より深層にアプローチするのが高周波、それよりも深く筋層に作用するのが超音波(ハイフ)です。
超音波は「ハイフ」というマシンを使い、3週間後くらいから腟がふっくらするなどの効果を実感でき、1年間ほど持続します。炭酸ガスレーザーは1カ月ごとに数回通うことが一般的です。
費用はクリニックによって違いますが、どの治療でも12~15万円が一般的です。炭酸ガス、超音波、高周波のどれが良いかは、ドクターとの相談になります。クリニックによって導入されているマシンも異なるためです」(黒田先生)
腟の内側から栄養を送る美容液、美容外科によるレーザー治療など、腟の悩みに対するアプローチを紹介しました。腟などデリケートゾーンの悩みは多くの女性が持つとわかれば、前向きに対策ができそうです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/岩崎みどり(51歳)
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
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