蚊はいるのに音がしない…え、私だけ?40代、耳の変化にハッとした日【体験談】
夏の夕方、子どもたちを連れて公園へ行ったときの話。ふと気付いたのです。「あれ、蚊がいるのに、あの嫌な音が聞こえない」。今までは耳障りなくらいはっきりと聞 …
ウーマンカレンダー woman calendar
手首の骨折で約2カ月の入院期間中に、軽い認知症と診断された89歳の母。田舎町で1人暮らしをする母が心配で、退院直後に帰省したのですが、そのとき覚えた違和感は記憶障害だけではありませんでした。母の幻覚が疑われるきっかけになったエピソードをお話しします。
★関連記事:「あんなに元気だった義母がまさか…」認知症を発症した義母の同居介護が始まって【体験談】
入院中に、軽度の認知症と診断された母が自宅へ戻ってきました。どんな状況か帰省して確認すると、たしかにただの物忘れとは違うような母の異変を目の当たりにすることに。それからは折を見て電話をかけて、体調はどうか、困っていることはないかと、母のガス抜きも兼ねて話をするようになりました。
そんなある日、私からは電話していないのに「電話した?」と母から連絡があったのです。「ううん、してないけど」と答えると「電話が鳴った気がして携帯を開けたらあなたの顔が見えたから、電話もらったんだと思って」と母。しかし、母の使っている携帯電話は旧式のガラケーで、もちろん、相手の写真が出るような機能は付いていません。不審に思い「顔が見えたって、どういうこと?」と聞くと、一瞬黙り込んだ母はバツが悪そうに「じゃあいい」と電話を切ってしまいました。
そのとき、私は母が退院してきたばかりのときに兄から聞いた話を思い出したのです。
それは母の退院後、帰省した私を兄が最寄り駅まで迎えに来てくれたときのことです。実家へ向かう車中、兄がおもむろに「この間、2階にいた母が、下で物音がするから降りていくと、近所のおばさんが家に上がり込んで冷蔵庫をあさっていたって言うんだよ」と話し始めました。
そのおばさんは私も知っていますが、とても親切な人です。それに、そんな大事件があったなら、聞くまでもなく母からその話をするだろうと待ってみましたが、帰省中、母はその出来事について何一つ語りませんでした。忘れてしまったのか、そもそもそんな出来事はなかったのか。だいたい、冷蔵庫をあさっていた後の続きがなかったことにも違和感があります。
電話に私の顔が映った話といい、近所のおばさんが冷蔵庫をあさっていた話といい、これは母が幻覚を見たと考えるのが最も自然だと思いました。
母から不可解な電話があった直後、私は認知症に幻覚症状があるのか検索してみました。すると、幻覚は認知症の代表的な症状の1つだと書かれていました。認知症について理解が乏しい私は、認知症=記憶障害と単純に考えていて、幻覚が症状の1つとは知りませんでした。そして、幻覚の中でも、母のように実在しないものが見える状態を正確には「幻視」というそうです。「家の中に知らない人がいる」「亡くなった妻や夫がいる」など、周りの人には見えなくても、本人には実際にはっきりと見えているのだとか。具体例を見てみると、家に誰かが盗みに入ったり、子どもの顔が見えたりするのは、よくあるパターンのようでした。
では、今後母の幻視と直面したとき、私はどうすればよいのかを調べてみました。まずは否定しないこと。強く否定すると、自尊心が傷つけられたり、ストレスを感じたりして、症状が進む場合もあるのだそうです。「もういなくなったから大丈夫」「追い払ったよ」などと安心させ、話題を変えて気分転換させるのが良いということでした。
母の幻覚とおぼしき症状を目の当たりにして、一瞬動揺してしまった私。しかし、認知症について知れば知るほど、おかしな言動を責め立てるのではなく、寛容に寄り添うことが大事なのだと教えられました。次からは、もう少し気持ちに余裕を持って対応してあげたいと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
イラスト/マメ美
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
数年前のことです。当時、私は店長としてあるショップで働いていました。そのとき、採用した新人スタッフのAさんに、少し難しい問題があることに気が付きました。 ★関連記事:強烈なにおいに...
続きを読む夏の夕方、子どもたちを連れて公園へ行ったときの話。ふと気付いたのです。「あれ、蚊がいるのに、あの嫌な音が聞こえない」。今までは耳障りなくらいはっきりと聞こえていたはずの音が、まった...
続きを読むアラフォーになり転職をした私。職場のある会社が上層階にあるため、エレベーター生活になりました。しかし、エレベーターの狭い空間ゆえの悩みがあって……。 ★関連記事:「臭い!」大好きだ...
続きを読む仕事帰りに頭がかゆくなり、頭皮を軽くかいた後、自分の指先のにおいをかいでみてビックリ。指先から臭いにおいがするのです。にわかに信じられず、反対の手で頭皮をかいてみたところやっぱり臭...
続きを読む40歳になった夫ですが、35歳を過ぎたあたりから夏場の加齢臭が気になるようになってきました。私たち家族が夫の加齢臭と向き合い、対策を講じたお話です。 ★関連記事:「先生が臭い…」に...
続きを読む夏の夕方、子どもたちを連れて公園へ行ったときの話。ふと気付いたのです。「あれ、蚊がいるのに、あの嫌な音が聞こえない」。今までは耳障りなくらいはっきりと聞 …
もともと、そこまで気にしていなかった自分の口臭が、40代になってからとても気になるようになりました。そんな私の口臭対策についてお話しします。 ★関連記事 …
夏休み、娘たちの「行きたい!」コールに押されて、アラフォー母は全力でテーマパークに挑みました。しかし、待っていたのは、想像を超える混雑と暑さ、そして…… …
旅行先で足が動かなくなり、体力の衰えを感じました。頭では「これくらいなら大丈夫」と自信があったのですが、想像以上に老化していたことに落ち込みました。その …
パートに家事に子ども3人の世話と、しなければならないことに追われる毎日。それでも30代のうちは何とかなっていました。しかし、40代後半に突入してからとい …
40代後半の私。20代のころ、十八番だった浜崎あゆみさんの歌をカラオケで久しぶりに歌ったら、高い音域の声が思うように出せず、ショックを受けました。それ以 …
40代後半のころ、鏡を見ると首にポツポツと直径0.5mmくらいのできものが。小粒であまり気にならないのでそのままにしていました。でも、同年代の友人とお茶 …
私は30代の主婦です。ある日、いつものように少し狭い道を歩いていたときのことです。前方から自転車に乗った中年男性が、ふらふらと左右に揺れながら近づいてき …