「放置すれば閉経!?」生理不順から始まった43歳のホルモン補充療法と骨密度との意外な関係
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胃の周辺が痛む「胃痛」はよくある不調の1つ。更年期は自律神経が乱れやすく胃酸の分泌が過剰になるため、更年期世代に多い症状ともされています。しかし、胃痛が起きても市販薬で済ませてしまうことも多いのではないでしょうか? 総合診療医の菊池大和先生は、胃痛が起きたら受診することをすすめます。自己判断で軽く考えてはいけない理由を聞きました。
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教えてくれたのは…
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
みぞおち付近に痛みを感じることを胃痛といいます。胃痛は多くの場合、胃酸過多による胃粘膜の炎症(胃炎)により引き起こされます。
胃酸は強力な酸であり、食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌したり、消化を促したりする働きがあります。通常は胃粘液によって胃は胃酸から守られています。ところが暴飲暴食、ストレス、自律神経の乱れなどが引き金となり胃酸の分泌が過剰になると、胃酸と胃粘液のバランスが崩れ、胃がダメージを受けてしまうのです。
胃痛は日本人によく見られる症状です。病院には行かず、市販薬で治す方も多いでしょう。ただ胃の周りには、胆のう、すい臓、肝臓等多くの臓器が集まっていて、胃痛を伴う消化器系の病気も疑われます。特に胆のうや胆管の痛みは胃痛と似ているので注意が必要に。そもそも痛みの感じ方は個人差があるので、自己判断はおすすめできません。
また胃がんの初期症状で痛みが生じることは少ないですが、ある程度進行すると胃痛が起こります。胃の痛みは放置せず速やかに受診しましょう。
先ほども触れましたが、更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)が急減し、自律神経のバランスが乱れやすくなります。この影響により胃酸の分泌が活発になり、胃痛が引き起こされることがあります。
ただし更年期障害の場合は「除外診断」といって、さまざまな検査をしても原因がわからないとなったときに「更年期障害ではないか」と診断することになります。そのため、「更年期に起きた胃痛は更年期障害です」と単純には言えません。
バリウム検査(胃部X線検査)ではバリウムの流れ方から胃内部の凹凸を観察し、異常や病気がないかを確認します。胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどを発見しますが、凹凸が浅いなど小さな変化は見逃されがちです。バリウム検査で引っかからなかったとしても、胃の不調がある場合は受診しましょう。
胃酸過多を防ぐため、暴飲暴食、早食いは避け、胃の刺激となる飲食物(カフェイン、アルコール、酸味の強いもの、塩分の多いものなど)をとり過ぎないようにしましょう。胃はストレスの影響を受けやすいので、じょうずに発散できるといいですね。
そして何より大事なのが定期的な胃カメラ検査(内視鏡検査)です。内視鏡検査は胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍、早期の胃がん、逆流性食道炎、食道がん、十二指腸潰瘍などの病気、胃がんの原因となるピロリ菌の有無がわかります。
40代から胃がんのリスクが高まります。この年代以上の人は病気予防のためにも1年に1回のペースで内視鏡検査をおこなうことをおすすめします。
筆者は胃痛と定期健診で、これまで3回内視鏡検査をおこなったことがあります。口、鼻、鎮痛剤使用とそれぞれ違う方法でしたが、個人的には鎮痛剤が最もラクでした(ただし費用は高め)。最近は検査前の問診をオンラインでできる病院も増えていて内視鏡検査のハードルも低くなったように感じます。胃の健康のために内視鏡検査を検討してみてはいかがでしょうか?
取材・文/中澤夕美恵(50歳)
出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。スポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ……。
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