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子育てをしていると、子どもの熱が親にうつることもあります。しかし「子どもの熱がうつったんだろう」と安易に考えないほうがいい!? と思う出来事がありました。「子どもの病気がうつった」と自己判断して失敗したエピソードを紹介します。
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秋も深まったある木曜日、徒歩で20分ほどの図書館へ向かっていた私は、急激な体のだるさを感じました。足取りが重くなり、いつもより遅いペースで歩いていても息切れがします。
家にたどり着き、体温を測ると37度台後半。頭をよぎったのは「プール熱(咽頭結膜炎:アデノウイルスによって感染する病気で、小児を中心に主に夏に流行)」でした。息子の通う保育園でプール熱が流行し、2週間ほど前に息子もプール熱にかかっていたからです。お医者さんにも「親にもうつるから、感染予防してね」と言われていたため、「息子のプール熱が自分にもうつったのかもしれない」と考えました。
「プール熱なら、しばらくすれば解熱するだろう」と考えた私は、家にあった市販の風邪薬を飲みながら様子を見ることにしました。しかし薬を飲んだときは熱が一時的に下がるものの、薬の効果が切れるとすぐに熱が上がってきてしまいます。今までの風邪ではかいたことがないくらいの寝汗をかいたり、水を飲み込むのも難しいほど喉が痛かったり、39度台の熱が出たりしたため、土曜の夕方になって夫が「救急外来に行こう」と提案してくれました。
病院でも座って待っていられないくらい体がだるく、「いい大人なのに恥ずかしい」と思いながらベンチに横になってしまう始末。診察の結果、プール熱でもインフルエンザでもなく、「引き続き解熱鎮痛剤で様子を見てください」と言われ、薬をもらって帰りました。
救急外来でもらった薬を飲み切っても熱が下がらず、今度は近所の病院の発熱外来を受診しました。診察して私の喉を見た先生は「溶連菌(ようれんきん:細菌が主に喉に感染して喉痛や発熱、発疹を引き起こす病気)だね」とひと言。検査結果も溶連菌の陽性でした。この診断結果に、私はもちろん、同行してくれていた夫もビックリ。息子も娘も溶連菌ではなかったからです。どこの誰からうつったのかわからない状態でした。
しかし、細菌が原因の溶連菌だと考えてみれば、解熱鎮痛剤のみの処方では症状がなかなか回復しなかったのも納得です。抗生剤を飲むと、無事に症状は治まりました。
今回の「思い込み」と「まさかの診断結果」を通じて、素人の自己判断は頼りにならないと実感しました。発熱が長引いたため、夫に出張を取りやめてもらったり、母親にヘルプに来てもらったりと、迷惑をかけてしまいました。今後は自己判断せず、「異変を感じた時点で信頼できる内科を受診する」という行動を徹底したいと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2007年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。「宇都宮スリープセンター」を併設し睡眠医療にも携わる。テレビやラジオなどメディアでも、いろいろなジャンルにおいて医療情報を発信。著書に『専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり』(クロスメディア・パブリッシング)があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。
文/小島絹香
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