「生理前にイライラ」30代後半から始まったPMSの激しい怒り。試行錯誤の末に見つけた改善方法
40代後半に突入し、体の疲れは感じるものの、心は30代のころより元気になってきたかな?と感じる今日このごろ。それは、生理前のPMS(月経前症候群)の症状 …
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更年期の汗の悩みといえば「ホットフラッシュ」。何の前触れもなく、顔全体や首筋、胸など上半身に発汗が生じたり、のぼせたりするような状態になります。ホットフラッシュに伴う寝汗も一般的な症状で、夜間にホットフラッシュが起こりやすいため、睡眠中に発生することが多いといわれています。
「真夜中にTシャツがびしょびしょになって、いったん着替えてまた寝る」「夜中に突然汗が吹き出し、上半身を中心に汗びっしょりになる」「シーツを毎日洗濯しなければならない」。こんな経験はありませんか。
寝汗は夜中に何度も起きるなど睡眠の質を低下させるため、体調不良や睡眠障害の一因となってしまいます。そこで、更年期の寝汗の症状と対策法について、産婦人科医の天神尚子先生にお聞きしました。
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監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック院長)
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
自律神経は体温調節や発汗など、私たちの体の重要な機能を無意識のうちにコントロールしています。この自律神経のバランスを保つ上で中心的な役割を果たしているのが、脳の視床下部と呼ばれる部位です。
ところが、更年期に差し掛かると、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモンのバランスが乱れ始めます。すると視床下部からの指令がスムーズに伝わらなくなり、自律神経の働きにも支障を来します。その結果、体温調節がうまくいかなくなったり、急に大量の汗をかいたりといった症状が現れやすくなるのです。
つまり、ホットフラッシュや寝汗といった更年期特有の症状は、女性ホルモンと自律神経の密接な関係によって引き起こされていると言えるでしょう。自律神経のバランスを整えることが、これらの不快な症状を和らげる上で重要な鍵となります。
私たちの体温調節は、手のひらや足の裏から熱を放散することでバランスを保っています。ところが、厚手の靴下や着圧ストッキングを着用していると、熱の放散がスムーズにおこなわれません。また、厚着や暖かすぎる寝具も体温調節を妨げ、ホットフラッシュを誘発する可能性があるのです。
ストレスや心理的なプレッシャーもホットフラッシュの原因となり得ます。ストレスを感じると交感神経が優位になり、体温調節機能が乱れやすくなるためです。
さらに、食生活や睡眠の質、運動習慣などの生活スタイルもホットフラッシュに影響を与えます。例えば、辛い食べ物や刺激物の多い食事、不規則な睡眠、運動不足などは症状を悪化させる要因となるでしょう。
逆に、バランスの取れた食事や適度な運動、質の高い睡眠、ストレス管理などを心がけることで、ホットフラッシュや寝汗などの更年期症状を和らげることができます。ただし、症状の現れ方には個人差があるため、医師に相談して適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
快適な睡眠を得るためのリラックス法を紹介します。
まず、音楽の力を借りてみましょう。就寝前に静かでゆったりとしたメロディーを聞くことで、心身をリラックスさせることができます。自然の音やヒーリングミュージックなども効果的です。音楽は心拍数や呼吸のリズムを整え、スムーズに眠りに入るのを助けてくれるでしょう。
次に、アロマセラピーの活用がおすすめです。ラベンダーやカモミール、バニラなどのアロマオイルをディフューザーで拡散させると、ストレス解消とリラックス効果が期待できます。香りに包まれながら心地よく眠りに就くことができるはずです。
また、深呼吸も簡単で効果的なリラックス法の1つです。ゆっくりと鼻から深く息を吸い、口からゆっくりと吐き出します。おなかを意識して呼吸することで、より深いリラックスを得られます。
さらに、瞑想にチャレンジしてみるのもよいでしょう。静かな場所で座り、目を閉じて呼吸に集中します。雑念を払い、自分の内側に意識を向けることで心を落ち着けることができます。
これらのリラックス法を睡眠前の習慣に取り入れることで、質の高い睡眠を得られるようになるでしょう。ただし、個人差があるため、自分に合ったやり方を見つけることが大切です。
寝汗対策に効果的な寝具の選び方を紹介します。
まずは、吸水性の高いタオルを活用してみましょう。寝具の上に敷いたり、体の汗を拭き取ったりするのに便利です。特に夏場や暑い夜には、タオルの上で眠ることで快適さを保ちながら寝汗を軽減できます。
次に、ベッドパッドの使用がおすすめです。吸水性に優れたタイプを選ぶことで、汗を効果的に吸収してくれます。また、通気性が良く洗濯機で洗えるものを選べば、衛生的で快適な睡眠環境を維持できます。マットレスの保護にもなり、寝具の寿命を延ばすことができるでしょう。
また、シーツの素材にも注目してみてください。リネンなどの天然繊維は通気性が高く、汗を素早く吸収してくれます。蒸れや不快感を軽減し、さらっとした肌触りで快適な眠りを提供してくれるはずです。
さらに、温度調節機能付きの寝具を取り入れるのも1つの方法です。冷感素材の布団や温度調節可能なマットレスパッドなどを使うことで、体温の上昇や過剰な発汗を抑えることができます。枕の上に敷く冷却ジェルシートや保冷枕なども、症状に合わせて試してみる価値があるでしょう。
体質や症状には個人差があるため、いくつかの対策を試してみて、自分に最適な組み合わせを見つけてみましょう。
更年期症状の改善に効果的な運動法を紹介します。
①散歩やウォーキング
無理のない範囲で、自分のペースでゆっくりと歩くことで、血液の巡りが良くなり、代謝が活発になります。リフレッシュ効果も期待できるでしょう。都会の街中を歩くのも良いですが、森林浴を兼ねて自然の中を歩くのも心身の健康に良い影響をもたらします。低山でのハイキングにチャレンジするのもおすすめです。
②ヨガ
呼吸法とポーズを組み合わせることで、心と体のバランスを整えることができます。自律神経の乱れを調整し、リラックス効果を高めてくれるでしょう。ストレスの解消やホルモンバランスの改善にも役立ちます。初めは無理せず、自分のペースで少しずつ取り組んでみてください。
③水泳
水泳も更年期症状の緩和に効果的な運動の1つです。水の抵抗を利用して体をやさしく動かすことができるため、筋肉の疲労が軽減されます。また、水の中で運動することで心身のリラックスが促進され、ストレスが解消されやすくなります。特に夏場は、涼しさを感じながら運動できるのも魅力的です。
運動は更年期症状の改善だけでなく、全身の健康維持にも欠かせません。ただし、体調や症状には個人差があるため、自分に合った運動の種類や強度を見つけることが大切です。
更年期の発汗対策としては、ホルモン補充療法、漢方薬、そしてサプリメントのエクオールの3つが挙げられます。
ホルモン補充療法は、更年期に減少した女性ホルモンのエストロゲンを体に補給することで、ホットフラッシュや寝汗などの症状を緩和することを目的としています。
ホルモン補充療法には、内服薬、貼り薬、ジェル状の塗り薬の3種類があります。それぞれ特徴が異なるため、ライフスタイルや目的に応じて、最も続けやすいタイプを医師と相談しながら選ぶことが大切です。
治療開始から効果が現れるまでには、通常1~2カ月程度の時間を要します。そのため、2~3カ月ほどで一度薬の効果を評価し、必要に応じて処方内容を調整していきます。
以前は、ホルモン補充療法を5年以上続けると乳がんのリスクが高まるとの報告があったため、一般的には2~5年程度の使用が推奨されていました。しかし、現在では必ずしも5年で中止しなければならないわけではなく、個人の状況に応じて継続期間を判断するようになっています。
※2004~2005年に厚生労働省研究班が調査をおこない、ホルモン補充療法経験者が乳がんになる危険性は、ホルモン補充療法未経験者の半分以下だったという結果を公表しています。その後の研究でも、ホルモン補充療法が乳がんの発症に与える影響は、肥満やアルコール摂取、夜勤の仕事などが与える影響と同程度の小さいものであることがわかっています。
また、最近では張り薬や塗り薬は使っていてもいなくても、乳がんや血栓症を発症する確率は変わらず、逆にホルモン補充療法をしている人のほうが全体のがん発生率が下がるといわれています。
更年期症状の改善に効果的な漢方薬の代表的なものとして、以下の3種類が挙げられます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)や頭痛に効果があるとされています。比較的体力のある方に適しています。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):めまいやたちくらみ、肩凝り、足腰の冷えなどの症状緩和に役立ちます。冷え性で疲れやすい方におすすめです。
加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ、落ち込み、不安といったメンタルの不調や、めまい、冷え性などに効果が期待できます。虚弱体質で精神的に不安定な方に適しています。
漢方薬の効果は個人差がありますが、早い方では服用開始から2週間ほどで症状の改善を実感できます。一般的には1カ月目あたりから効果が現れ始めるため、2~3カ月は継続して服用することが大切です。
もし2~3カ月たっても十分な効果が得られない場合は、処方内容を見直し、自分に合った漢方薬を探していくことになります。医師や薬剤師と相談しながら、試行錯誤を重ねることで、最適な処方を見つけることができるでしょう。
大豆に含まれるイソフラボンの一種である「ダイゼイン」は、腸内に存在する特定の細菌「エクオール産生菌」によって「エクオール」という物質に変換されます。このエクオールが、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることから、更年期症状の緩和に役立つと考えられているのです。
しかし、エクオールを腸内で作り出せる人は、日本人の場合、約半数程度だといわれています。つまり、大豆製品を摂取しても、エクオールの恩恵を受けられない人が少なくないということです。
そこで注目されているのが、エクオールのサプリメントです。腸内でエクオールを作れない人でも、サプリメントを摂取することで、エクオールの効果を期待することができます。
ただし、サプリメントに頼りきるのは賢明ではありません。大豆製品は良質なタンパク質の供給源でもあるため、食事でしっかりと摂取することが大切です。毎日の食事に豆腐や納豆、味噌などの大豆製品を取り入れることで、体内のエストロゲンバランスを整えることができるでしょう。
寝汗は、日中のホットフラッシュとは異なる不快感を伴い、ストレスや不安、睡眠障害と悪循環を形成しがちです。しかし、日常生活の中で実践できる対処法もあるので、諦める必要はありません。
自律神経のバランスを整えることが、寝汗対策の鍵となります。まずは、自分のライフスタイルに合った方法を見つけ、試してみることが大切です。
自分で試みた対処法で効果が得られない場合や、症状が重くなってきた場合は、婦人科を受診することをおすすめします。仕事や家事、子育てに支障を来す前に、適切な治療法を相談することが賢明です。
更年期の寝汗は、多くの女性を悩ませる症状ですが、ひとりで抱え込む必要はありません。周囲のサポートを受けながら、自分なりの対処法を見つけ、前向きに乗り越えていきましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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