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35歳ごろから、冬になると毎年3〜4カ月も生理の経血が止まらなかったため、毎年同じ婦人科でピルを処方してもらっていました。しかし、原因は子宮腺筋症という病気で、ピルの処方は逆効果だったのです。ほかの病院を受診する必要性を痛感したときのお話です。
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35歳ごろから数年間、10月ごろになると通常4日間くらいで終わる生理が終わらず、微量な出血が3カ月~4カ月くらい続くという症状が続きました。最初の3年ほどは、近隣の保健センターで保健師さんに相談していましたが、特に心配しなくても良いのでは? というアドバイスしかもらえませんでした。
とはいえ、あまりにも長引く出血がストレスになり、婦人科を受診して、ピルで出血を止めてもらうことにしました。しかし、ピルを処方してもらうようになっても、相変わらず冬が近づくと出血が止まらない生活は続きました。出血が3カ月近く続く、病院に行ってピルをもらって服用する……この繰り返しでした。
これは本当に問題のない症状なのか、子宮や卵巣に何か問題があるのではないか、徐々に強い不安を感じるようになってしまいました。そこで、近隣の医療紹介サイトを調べ、別の婦人科クリニックで再受診することを決意しました。
受診の結果、止まらない出血は「子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)」という病気が原因でした。これは、何らかの原因で子宮内膜が子宮の筋肉壁の中にできてしまい、それが邪魔をすることで子宮が収縮できず出血が止まらなくなるという病気だそうです。
通常は女性ホルモンが出血を止めるように子宮に働きかけるため、子宮そのものが収縮できなくても出血は止まるのだそうです。しかし、40代に近付くと、気温の下がる冬にかけて女性ホルモンが正常に分泌されにくくなってしまう場合があるようでした。
つまり、筋力やホルモンによっても出血を止めることができず、だらだらとした出血が長期間続いてしまっていたのです。しかも、医療用ピルは子宮内膜を成長させるいわば「ごはん」という説明を受けました。ピルの服用を続けたことで、子宮の壁の中で子宮内膜が成長し続け、余計に出血が止まりにくくなっていたのです。
幸い、出血量が少なかったため貧血などの合併症状は見られませんでした。また、年齢的にこれ以上の妊娠出産を希望していなかったため、特別な治療はおこなわない方針で現在に至っています。
もし、出血が止まらなくなった初期のころに違う病院を受診していたら、何年も長期間の出血で悩むことはなかったかもしれません。幸い、私の子宮腺筋症の症状はさほど深刻なものではありませんでした。しかし、もしもピルの服用を続けたり、もっとほかの深刻な症状を見落としていたりしたら事態は大きく変わっていたかもしれません。
医療機関は信頼できるかかりつけ医を持つことが重要だと感じました。でも、もし納得できない診断を受けたときは、試しに別の病院の先生の意見を聞くことも検討すべきだと思います。特に、女性特有の病気は早期発見が治療の要と聞きます。少しでも不安や疑問を感じたら、納得できる説明をしてくれる医師を探すのが得策だと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/沢岻美奈子先生(沢岻美奈子 女性医療クリニック院長)
乳がん検診を含め、女性特有の検診をワンストップでできる神戸の婦人科クリニック「沢岻美奈子女性クリニック」院長。市検診や企業検診含め、年間約3000件の検診をおこなっている。乳がんサバイバーも多い更年期世代の患者さんとのやりとりを通じて日常の診察で感じ考えることや、女性のヘルスケア専門医目線での医療情報をInstagramに毎週投稿し、podcastでも「女性と更年期の話」で発信している。
文/森本いずみ
イラスト/マメ美
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