「なぜ閉経後に乳がんリスクが高まる?」医師が教える意外なホルモンの働きとは【医師解説】
乳がんのがん細胞は女性ホルモンであるエストロゲンの影響によって増殖するといわれています。閉経するとエストロゲンは減少するはずですが、乳がんの好発年齢はな …
ウーマンカレンダー woman calendar
閉経は女性の体にとって大きな変化の1つ。閉経後、体にどんな変化が出るのか気になっている方も多いのではないでしょうか。その中でお伝えしたいのが「閉経後の女性は心臓病のリスクが高まる」ということ。一体どういうことなのか、循環器内科医の新田正光先生にお伺いしました。
監修/新田正光先生(千葉西総合病院 副院長・循環器内科部長)
1997年秋田大学医学部卒業 循環器内科医、不整脈専門医、心血管インターベンション治療学会専門医としてアブレーション、PCI、両室ペーシング療法や植込型除細動器の手術をおこなっている。その他、総合内科専門医/指導医、救急科専門医、透析専門医、ICLSなどの資格を有し多岐に渡り活躍している。
★関連記事:「心臓が勝手にドキドキ」心不全や脳梗塞を引き起こす可能性も…不整脈の見逃せない症状と対処法
「閉経後の女性は心臓病のリスクが高まる」というのは一体どういうことなのでしょうか?
「女性ホルモンであるエストロゲンには、血管を広げたり、コレステロールの代謝を良くする作用や、老化を防ぐ抗酸化作用など、心臓や血管だけではなく体に対するさまざまな保護作用があります。
閉経するとエストロゲンの働きの1つである動脈硬化を抑える保護作用がなくなります。
すると、高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病が一気に増加し、虚血性心疾患(心臓の筋肉に血液を送る冠状動脈が狭くなったり、塞がったりして、心筋への血液の流れが悪くなり、心筋が酸素不足に陥る状態)などの心臓病も増加してしまいます。
なので、閉経によってエストロゲンの生成が減ってしまった女性は心臓病のリスクが高まるのです」(新田先生)
閉経後の女性は特に狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患が多いのだそう。
「心臓病の症状として胸に痛みが出ることは多々あります。
ですが、それ以外にも関連痛として顎や喉、歯、背中や肩など体のあらゆる場所に痛みが出ることもあります。吐き気などを感じることもあるといいます。
胃痛を訴えて運ばれてきた患者さんが胃カメラなどいろいろな検査をしても異常が見つからず、最後に心電図をおこなったら心筋梗塞で循環器内科に回されてきた、ということもありました。
心筋梗塞は1分1秒を争う時間勝負の病気なので、痛みの原因を早く特定することが非常に大切です」(新田先生)
男女によって痛みが出る場所が違うことはあるのでしょうか?
「男性の場合は胸の痛みを訴えられる方が多い傾向にあるので、そういった場合、まずは心電図検査をおこないます。
もちろん、男性でも胸以外の場所に痛みが出ることがありますから、男女で痛みが出る場所が違うというわけではありません。
男女差ではなく、個人差によって症状が違っているのです」(新田先生)
あなたの体験談も教えて! 抽選でギフト券進呈
閉経を間近に迎える40代後半、50代前半の女性にとって気になるのは自分の体の変化ではないでしょうか。中でも気になるのが、腟・子宮・卵巣といった女性特有の機能。生理がなくなることで生...
続きを読むできものから嫌な臭いがしたことってありませんか? もしかしたらそれ、粉瘤(ふんりゅう)かもしれません。ニキビと勘違いしてしまう人もいるそうですが、専門のクリニックもあるほど患者数の...
続きを読む更年期後半になると、若いころと比べておりものの量が減ったと感じている人もいるでしょう。下着の汚れが気になる人は「この分だと閉経したら血もおりものも出なくなる?」と思っている人も多い...
続きを読むおしりから脚につながる神経に沿って痛みやしびれが生じる「坐骨神経痛」。時には歩けないほどの痛みを感じることも。そもそも坐骨神経痛とは一体どのようなものなのか、症状の詳細や原因、予防...
続きを読む乳がんのがん細胞は女性ホルモンであるエストロゲンの影響によって増殖するといわれています。閉経するとエストロゲンは減少するはずですが、乳がんの好発年齢はな …
「最近、家族やパートナーの前などでよくおならをしてしまう」と感じたことはありませんか。若いころはもう少しおならをコントロールできていたような……。原因は …
現在、女性の9人に1人が発症するといわれている「乳がん」。女性にとって乳がんはとても身近な病気の一つです。乳がんの罹患率のピークは40〜50代なのだそう …
皆さんは「デンスブレスト」という言葉を聞いたことありますか? デンスブレストとは、高濃度乳腺の別称で、乳腺組織が多い状態のことを指します。実は、デンスブ …
痩せたいけど運動はしたくない。そこで糖質制限をはじめ、置き換えダイエット、朝食や夕食を抜くなど、若いころにひと通りおこなったことがある方も多いのでは。し …
鼻水やせきなど風邪症状はないのに体温を測ると微熱がある……。これは40代・50代の更年期世代に見られる症状です。微熱だけなので受診するほどでもないと様子 …
下肢静脈瘤は、ふくらはぎの血管が浮き出てコブのようにボコボコしたり、赤紫色の血管が透けて見えたりと、見た目の症状の印象が強い病気。そのため、美容的な側面 …
尿漏れや頻尿、ぽっこりおなかなど、40代から増えてくる悩み。その原因は「骨盤底筋群」が弱くなることにあります。骨盤底筋群を鍛えるには、「骨盤底筋体操」が …