
冬の家庭料理の定番といえば鍋料理ですが、市販の「鍋つゆ」を使いそのパッケージの裏に書いてある具材を何となく入れているという人も多いのではないでしょうか。ビタミン外来の医師・佐藤務先生によれば、同じ鍋料理でも鍋つゆと食材を工夫するだけで健康効果がアップすると言います。さらに、そこにはある共通点も。簡単に作れる鍋レシピとともに、鍋つゆと食材のポイントを紹介します。
体が芯から温まる鍋つゆとは?

料理酒を水と1:1で混合したものが◎
まずは、健康効果がアップする鍋つゆについて教えていただきました。
「鍋つゆは料理酒と水を1:1の割合で混合したものをベースに使いましょう。料理酒を使うことがポイントで、体を温める効果が期待できます。料理酒と合わせるものは、水だけでなく、だし、豆乳、トマトジュースなどに変えることで、飽きずに毎日でも食べられます。なお、妊娠中の方やお子さんなど料理酒のアルコールが気になる方は、あらかじめ電子レンジで加熱した上で使うと良いでしょう」(佐藤先生)。
料理酒鍋は体温が上がるという調査結果も
料理酒鍋とだし鍋を比較したモニター試験では、料理酒鍋のほうが冷えやすい手足の先までしっかり温まっていることがわかりました(下図)。また、体温も料理酒鍋のほうが高く上昇し、より効率的に体を温める効果が実証されました。


【実施日】2020年12月
【実施場所】東京都渋谷区 最低気温:6.7℃ 最高気温:10.6℃ 室温:20.0℃
【被験者】冷え性がある女性10名 年齢20~40歳台(平均年齢:38歳)
食材を選ぶときのポイントは?

植物性たんぱく質とアリシンを含む野菜を入れ、各2種類以上に
次に、食材の選び方はどのようにすれば良いのでしょうか。
「食材はたんぱく質と野菜をそれぞれ2種類以上使いましょう。たんぱく質は大豆食品など植物性たんぱく質を必ず入れ、もう1種類はお好みに合わせて肉、魚を選びます。シメのおじやなどで卵を使えば3種類になります。また、野菜は長ねぎ、玉ねぎ、にんにく、にらなどアリシンが含まれる野菜を必ず入れ、それ以外に何種類か野菜を入れましょう」(佐藤先生)。
野菜は目的や体調に合わせて選ぶ
「野菜はねぎ類に加えて、目的に合わせて葉ものや根菜などをプラスしていきましょう。食物繊維が豊富なきのこや海藻もおすすめです。鍋は野菜をたくさんとれる料理です。積極的に使って冬の体のケアに役立てましょう」(佐藤先生)。
【目的別に入れたい野菜の例】
- 冷え性対策 =長ねぎ、れんこん、とうがらし、にら、にんにく、せり
- 免疫力アップ=にら、にんじん、長ねぎ、しょうが、かぼちゃ、大根
- 腸内環境を整える=玉ねぎ、ごぼう、キャベツ、れんこん、大根、里いも、しそ
- 疲労回復=長ねぎ、かぼちゃ、にんにく、にら、グリーンアスパラガス、山いも
次の章では、料理酒を使った簡単にできる鍋レシピを4つ紹介します。