
“寝ても疲れが取れない”“化粧品を変えても肌の調子が上がらない”など、オトナ女子の健康と美容にまつわる悩みは尽きないもの。でも、“年だから”と諦めてしまえば老化は進む一方です。そこで今回は食習慣の見直しの一つとして、肉料理のとり方についてアンチエイジング専門医の黒田愛美先生に聞きました。
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic 医師)
美容外科、美容皮膚科、予防医学(栄養療法)、アンチエイジング専門医。Zetith Beauty Clinic 、東京美容外科沖縄院にて勤務。トライアスロン日本代表の経歴を持ち、⾃分がアスリートであることも⽣かしつつ、美と健康のスペシャリストとして「中からと外からの美と健康」を信念に、外から(美容医療)だけでなく、中から(分子栄養学、予防医学)の美と健康の権威として多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。著書に、「中田敦彦のYouTube大学」でも紹介された「アスリート医師が教える最強のアンチエイジング」(文藝春秋社)がある。
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老化防止・疲労回復に効く肉とは?

食肉とひと口に言っても牛・豚・鶏などいろいろな種類がありますが、アンチエイジングに効くのは、ズバリ「鶏むね肉」だと黒田先生は言います。
「食肉は生のときの色で赤身肉と白身肉に分けられます。牛・豚・羊などは赤身肉、鶏むね肉は白身肉です。
日本人は消化酵素の分泌が少ない民族のため、肉を消化するのに内臓に大きな負担がかかることがわかっています。特に赤身肉は負担が大きいため極力減らして、白身肉を中心にとれば体への負担を少なくすることができます。
食肉は他の食べ物と比べて、さまざまな体調不良を引き起こす“遅延型アレルギー”を起こしにくいとされています。その中でも鶏むね肉は胃腸への負担が少ないという点で、私も積極的にとっています」(黒田先生)。
さらに、鶏むね肉がアンチエイジングに効果的なのには他にも理由があるそうです。
鶏むね肉に含まれる注目すべき成分は?
活性酸素を抑える「イミダゾールペプチド」

それは、鶏むね肉に豊富に含まれる「イミダゾールペプチド」という成分だそうです。
「さまざまな試験研究により、イミダゾールジペプチドは活性酸素を抑える働きがあり、疲労軽減に効果があることがわかっています。
イミダゾールペプチドは人間と同じように動物の筋肉の中にもあります。特に時速100km近くで泳ぎ続けるかつおやまぐろ、数千kmも不眠不休で飛び続ける渡り鳥など鳥類の筋肉の中に多く含まれているので、その強靭な運動能力を支えている物質と考えられています。
また、活性酸素を抑える働きがあるため、疲れにくくするとともに、体や肌を若々しく保つ効果もあります。イミダゾールペプチドの一つであるカルノシンには、体内に過剰な糖分とたんぱく質が結合してできる、老化促進物質である「AGEs(エイジズ)」が作られたときに、その蓄積を抑える効果があるとされているためです」(黒田先生)