
日に日にわが身に感じるようになる「老化」ですが、老化の原因は過剰な活性酸素のしわざであることはご存じでしょうか。「活性酸素をコントロールするためには腸内環境を整えることが大切」とするのは美容専門医の黒田愛美先生。ご自身も食べているという、腸内環境を整える食品を3つの食品を選んでもらいました。
教えてくれたのは…
監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic 医師)
美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。
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【1】腸内の善玉菌を増やす食品の代表格「納豆」

善玉菌を増やして大豆イソフラボンも摂取
腸内環境を整える食品として、黒田先生がまず最初に挙げたのは「納豆」です。
「腸内環境を整えるには善玉菌(プロバイオティクス)を増やすことがとても大切です。
腸の中には腸内環境を良くする善玉菌と悪玉菌と日和見菌という3種類の菌がいますが、腸内環境を悪くするのが悪玉菌です。悪玉菌を増やさないためには、善玉菌を腸にできるだけ多く増やすことが大切です。
善玉菌を多く含む食品の代表格は発酵食品です。
中でも納豆には胃酸に負けることなく、生きたまま腸内にたどり着く納豆菌があり、もともといる善玉菌を活性化させ、悪玉菌を抑制して腸内環境を改善してくれます。
また、納豆の原料である大豆には、腸内細菌の餌となる水溶性食物繊維、便のかさを増してくれる不溶性食物繊維が豊富に含まれています。積極的に食べることによって、善玉菌を増やして腸内環境を整えることができます」(黒田先生)。
また、40代、50代女性には特にうれしいメリットも。
「納豆には女性ホルモンと似た効果を得られるとされる大豆イソフラボンも含まれます。女性ホルモンの分泌が減る更年期世代の女性は積極的に摂取したい栄養です」(黒田先生)。
【2】善玉菌を増やし食物繊維も豊富な「キムチ」

塩分が多いのでとり過ぎには注意を
次に挙げたのがキムチです。
「納豆と同様に、キムチは発酵食品で善玉菌(プロバイオティクス)を多く含んでいます。さらにキムチには、ラクトバチルスという植物性の乳酸菌が豊富に含まれています。
一方、消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌の餌になる成分をプレバイオティクスといいます。食品では食物繊維やオリゴ糖がそれにあたり、白菜にはプレバイオティクスの食物繊維が豊富に含まれています。
キムチには、このプロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が含まれているので、効果的に腸内環境を整えてくれるのです
また、キムチに含まれている唐辛子のカプサイシンという成分は代謝が促進され、脂肪をエネルギーに変える効果があることで知られています。
キムチをとるときに気を付けたいのは量。塩分が多いので小皿にひと盛り程度が適当といわれています。乳酸菌は加熱すると死滅するため、できれば生で食べたほうが良いですが、死んだ菌でも善玉菌の餌になるので無駄ではありません」(黒田先生)。