「生理は終わったと思っていたら」50歳で生理が再開、大量出血!産婦人科で伝えられたのは
目次 1. 夫婦生活の後、突然の出血 2. 不安と向き合った検査と手術 3. 長引く出血と日常への影響 4. まとめ 長引く出血と日常への影響 しかし、 …
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早発閉経を疑う症状があっても、どのような検査があるのかわからなければ不安に感じてしまうかもしれません。不安な気持ちから受診のタイミングを逃してしまうことがないよう、ここでは婦人科で受けられる主な検査について説明します。
早期閉経の主な検査は、「血液検査」「超音波検査」「骨密度検査」の3項目です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
【血液検査】
血液検査では、女性ホルモンの揺らぎをチェック。FSHと呼ばれる卵胞刺激ホルモンとエストロゲン(卵胞ホルモン)の数値を確認します。FSHは、卵胞の成熟を促進するホルモン。通常の生理周期では、脳下垂体から分泌されたFSHが卵巣を刺激し、エストロゲンの分泌量を増やすことで、卵胞の発育を促します。しかし、早発閉経は卵巣機能が低下している状態。脳下垂体は卵胞を成長させようと働きかけますが、卵巣は正常に反応しません。結果として、FSHが高値(30mIU/ml以上)を示すようになるのです。
一方、エストロゲンはいわゆる女性ホルモンのこと。成熟した卵胞から分泌されるため、通常の生理周期では排卵期に向けて徐々に増加します。ところが早発閉経の場合は、排卵がない・もしくは排卵していても頻度が低いため、エストロゲンは低値(20pg/ml以下)に。
妊娠を希望している場合は、LH(黄体化ホルモン)やAMH(抗ミュラー管ホルモン)を測定し、より詳しく卵巣機能を調べることもありますが、一般的にはFSHが高くエストロゲンが低い場合に早発閉経の状態にあると診断されます。
【超音波検査】
超音波検査は、子宮や卵巣に病気が隠れていないかどうかを確認する検査です。卵巣に腫瘍があるなど、女性ホルモンの分泌が阻害される原因が見つかれば、それに応じた治療をおこないます。
【骨密度検査】
骨の中に含まれるカルシウムやミネラルの量を測定する検査です。女性ホルモンには骨の生成を助ける働きがあるため、卵巣機能の低下に伴って骨密度も減少する可能性があります。骨密度検査では、若い人の骨密度の平均値と比較し、骨粗しょう症(骨強度の低下により骨折リスクが高まる疾患)のリスクがどの程度あるかを評価。結果が80%未満の場合は注意が必要です。
生理がない以外に目立った自覚症状がない方もいますが、妊娠を希望している場合は違和感を覚えた時点で早めに婦人科へ受診することをおすすめします。また、妊娠を希望していなくても骨粗しょう症のリスクを考慮すると、40歳未満で3カ月以上生理がない方や生理周期が極端に乱れている方も、一度きちんと診察を受けておいたほうが良いでしょう。
早期閉経と診断された場合は、まずホルモン補充療法(HRT)が検討されます。HRTとは、低下しているエストロゲンを薬で補う治療法です。ホットフラッシュや寝汗などの更年期症状を和らげ、骨粗しょう症や動脈硬化のリスクを軽減する効果が見込めます。
ただし、高血圧や肥満など血栓のリスクがある方や、子宮体がんまたは乳がんを経験した家族がいる方、子宮筋腫や卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ:卵巣内に液体がたまってできる良性の腫瘍)がある方は要注意。健康チェックをおこなってからでないと、HRTを受けることはできません。
早発閉経のセルフケアとしては、エクオールを含むサプリメントの摂取や生活習慣の改善も有用です。中でも女性ホルモンは、睡眠の質に大きく影響を受けるといわれています。卵巣に女性ホルモンの分泌を促すのは脳下垂体ですが、十分な睡眠を得られなければ脳の働きが悪くなってしまい、指示系統が乱れてしまうのです。ホルモンバランスを整えるには、質の高い睡眠を確保した上で、規則正しい和食中心の食生活を心がけるのが基本。自分のペースで続けられる運動を取り入れるのもおすすめです。
妊娠や出産を希望しているにもかかわらず生理が毎月来ない場合は、早めに婦人科の受診を検討しましょう。早期診断により卵子の残存が確認できれば、採卵をして卵子や受精卵を凍結できる可能性があるためです。
しかし、すでに排卵がない場合は自己卵子での妊娠が難しい場合もあり、その場合は卵子提供を勧められることもあります。いずれにしても、早発閉経予備軍と思われる方が妊娠を希望する場合は、早めの不妊治療が大切。信頼できる医師に相談しながら、妊娠に向けた計画を立てていきましょう。
一般的な閉経年齢に到達していなくても、生理が3カ月以上来なければ早発閉経の可能性が考えられます。症状がない場合もありますが、妊娠を希望する場合や骨粗しょう症のリスクが気になる場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。また、治療と並行しながら自宅でできるセルフケアを取り入れるのもポイントです。自分の体と向き合いながら、いつまでも生き生きと輝ける毎日を過ごしてくださいね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
取材・文/生垣育美
産科・婦人科領域の医療現場において医師の事務作業を専門にサポートする産婦人科ドクターズクラークとしての勤務を経て、第1子出産をきっかけにWebライターへ転身。夫・息子と3人暮らし。やんちゃな息子に振り回されながら、なんとか仕事と家庭を両立させる日々……。
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