40歳独身で乳がんの告知を受けた、鳥野たみこさんの体験を描いた漫画を紹介します。
前回、思っていたよりも早い時期に、自分は乳がんであることを母に報告することになった島野さん。今後、誰にカミングアウトするかを悩んだそうで……。
★前回:「元気だよ」とは言えない…。乳がんを報告する前に母から電話が来て… #40歳独身で乳がんになりました 8

自分が乳がんであることを誰にカミングアウトするか、しないかを考えたとき、私の場合、以下の5つ分かれました。
1 自分がカミングアウトしたいと思う人
2 カミングアウトする必要性がある人
3 場合によって伝えるかどうか判断すれば良い人
4 言いたくない人
5 どちらでも良い人(直接関わりがない人)

乳がんを告知された後、私はあることを思い出しました。
それは、たまたまテレビで目にした、20代半ばで乳がんになったという元アイドルの女の子の番組です。
テレビを見ながら、他人事のように感心していたその数カ月後、自分に乳がんが発覚したとき、とにかく何か情報が欲しくて彼女を検索しました。

その方は矢方美紀さんと言う方で、ネットニュースに出ていたインタビューを読むと、冷静だと思っていた彼女にも深い葛藤と苦悩があったこと、そして今もあることを知りました。
なかでも気になったのは……。病気を公表することで、抗がん剤は効かないという情報が送られてきたり、サプリが送られてきて、善意のつもりなのかもしれないが、知人だとなおさら断りにくいという部分。
告知から1年たった今、私個人としては、民間療法やサプリメントなどは本人が納得できて、お財布が大丈夫で周囲が認知していれば良いのかなとも思います。
でも、だからこそ私が標準治療を選んだことも、とやかく言われたくないと思っています。

矢方さんのインタビューを読んだあと、私は対人関係で悩むのはできるだけ避けたい、家族(言いたい人)と直属の上司(言う必要がある人)に報告するのは決定としても、親せきと友人はどの範囲までカミングアウトすれば良いのかなど考えました。
悩んだ結果、人との距離感が取るのがじょうずな親しい友人2人と、叔母(母の妹)と妹の夫とその家族に報告することに。
「家族は第2の患者」という話を聞き、治療中に私が主に頼ってしまうことになる母と妹の理解者である人たちには報告しようと思ったのです。